吉野屋
冷凍庫から輸入禁止の米国産牛肉脊柱
危険な牛肉使い引続き牛丼販売
日本政府 検査緩和した責任重大
食健連 米国産牛肉の即時輸入禁止を
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“アメリカ産牛肉の輸入再々開に反対!”とこぶしを上げる全国食健連(2006年6月1日、国会前) |
農水省・厚労省は四月二十三日、大手牛丼チェーン「吉野家」の冷凍倉庫で、昨年八月に輸入したアメリカ産牛肉七百箱のうち一箱から、BSEの病原体が蓄積しやすい特定危険部位
の脊柱(せきちゅう)が見つかったと発表しました。輸入条件違反の脊柱混入は、二〇〇六年七月にアメリカからの牛肉輸入を再々開して以降、初めてです。
今回の事件は、少なくとも輸入時に全箱確認を実施していれば、発見できたことであり、アメリカの圧力の下、輸入検査体制を緩和した政府の責任は重大です。
また、この牛肉を出荷したナショナルビーフ社カリフォルニア工場の牛肉を販売していた大手スーパー・ダイエーやマルエツは、店頭から全量を撤去しましたが、吉野家は自らの倉庫から調理一歩手前で見つかったにもかかわらず、臆面もなく同工場から購入した牛肉を使用して牛丼の販売を続けています。
そもそも、 「すき家」などの牛丼チェーンは「消費者に安心して食べてくださいと言える段階ではない」ことを理由に、アメリカ産牛肉を使用していませんが、吉野家は輸入が禁止されていた二〇〇五年二月当時、禁輸前に手に入れていた牛肉を使って一日だけの“限定牛丼”を復活。また、全国紙にデカデカと輸入再開を求める全面広告を載せるなど「ひとかけらの企業モラルもない」と批判を浴びました。
BSE汚染国であるアメリカは、いまだに飼料規制が不十分であり、全頭検査などわが国と同様のチェックを行おうとしない以上、吉野家は消費者に「安全して食べてください」とは、到底言えないはずです。
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全国食健連は、「アメリカ産牛肉の輸入を即刻全面的に禁止し、輸入時の検査態勢の強化と、アメリカでの徹底した原因究明、BSE対策の抜本的な強化を求める」ことなどを内容とする事務局長名の「抗議談話」を発表しました。
(新聞「農民」2008.5.5・12付)
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