「農民」記事データベース20080428-826-10

旬の味


 四月からスタートした後期高齢者医療制度。十五日にはじめて保険料が年金から天引きされた。「引きます」と知らせがあった人なかった人。「高すぎる」「いくらとられるのか」―不満と不安が渦巻いている▼この制度は二年以上も前に、国会で自民・公明の与党による“強行採決”でできた。実施する今となって、ようやく制度の内容を知らせ、保険料を天引きするというから、各地で混乱が生じている▼そもそも年金は、老後の安心のためのもの。しかし政府にすれば、手間要らずに確実安全に保険料を吸い上げる“泉”なのだ。“国民の老後なぞ、わしゃ知らん”といった態度だ▼農村の老人たちは、戦後の荒廃した中で米作りに励み、完全自給をやりあげた。高度成長期には、村から都会に出て行く若者にかわって農村を守り抜いてきた。長寿者となったいま、国は邪魔者扱いする。絶対に許すことはできない。“ただちに廃止せよ”ののろしを農村から起こそう。お年寄りを囲む団らんがある村にするために。

(実)

(新聞「農民」2008.4.28付)
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2008年4月

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