本の紹介
産直新聞編
「ど〜んと直売 !! 喜びを売る農産物直売所 in 信州」
生産者の思いが伝わってくる
いま、農産物直売所がいぜんに増して元気です。たしかに近所の直売所に行ったら、普段より買い物客が多い。売り子の農家も「おかげさまで」と笑顔が絶えない。おそらく中国製ギョーザ中毒事件の影響でしょう。食の安全が揺らぎ、輸入依存の農政に対する不信が、消費者を直売所に向かわせています。JA総合研究所の調査によると、二月の販売額が前月より二四%増えたという。直売所は、生産者と消費者がお互いの顔が見える食糧の供給基地として、新しい風を吹き込んでいます。
長野県内をエリアに、直売所や手づくり加工所などの情報と共同の宣伝を目的に、月一回発行の「産直新聞」。そこが編集したこの本では、県内に約三百カ所あるという直売所(通年で有人販売)のなかから三十七カ所を取り上げ、設立の経緯や特産品、交流の取り組みなどを豊富な写真で紹介しています。また二〇〇六年から始まった全国にも例がない「産直サミット」。パネリストの発言や報告など、その様子も伝えています。
「地域みんなで力をあわせて、農家の収入をあげよう」「山間部でも農業を続けていける生きがいを作り出そう」――生産者の思いが伝わってくる本であり、また直売所のガイドブックでもあります。定価1700円。問い合わせは、川辺書林TEL026(225)1561まで。
(新聞「農民」2008.4.7付)
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