二つの耐性遺伝子もつ
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関連/GM食品表示の法改正要求署名を提出 /今年も自生調査の参加者募集します |
異なる二種類の除草剤にたいする耐性遺伝子(除草剤をまいても枯れにくい遺伝子)を合わせ持った遺伝子組み換え(GM)ナタネが、農民連食品分析センターによる昨年の調査で発見されました。これは市民団体や行政による調査で指摘されている「交雑種」の自生を裏づけるものです。分析センターの石黒昌孝所長が三月二十五日、国会内で発表しました。
GMナタネは大きく分けて、種子会社モンサント社が開発した除草剤ラウンドアップ(成分名グリホサート)をまいても枯れにくいタイプと、バイエル社の除草剤バスタ(成分名グルホシネート)をまいても枯れにくいタイプがあります。
簡易検査キットによる一次試験では、組み換えタンパク質を持つかどうか、PCR法による二次試験では、どちらの組み換え遺伝子を持つかを確認。この二つの試験で、どの除草剤に耐性を持つのかを判定します。
分析センターの「遺伝子組換えナタネ調査隊」は〇七年に全国で調査し、八十七件のGMナタネを発見。そのうち福岡県博多港で採取したナタネから、二種類の除草剤に耐性をもつ組み換え遺伝子を検出しました。
昨年八件のGMナタネが見つかった横浜港周辺。今年も参加者は、港に面した製油会社のそばを南北に走る道路沿いを歩き、自生ナタネを採取しました。調査隊が採取・検査した件数は二十三。生協のみなさんの調査とあわせて、今回はGMナタネが検出されませんでした。
同生協理事長の五十嵐仁美さんは「市民による監視活動は引き続き大事です。さらに監視を強め、その結果を行政に伝えたい」と話していました。
生活クラブ生協神奈川など市民・農業団体は、神奈川県内で「GM作物栽培規制条例」の制定を求めて、署名、フォーラムの開催など、運動を展開しています。
交雑は相当広がっている
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表・天笠啓祐さん GMナタネの交雑は、市民団体が〇六年に千葉で発見したほか、環境省の調査でも広範囲で見つかっています。交雑が相当広がっています。交雑については(1)輸出国のカナダですでに交雑種だった(2)カナダで栽培時(3)日本でこぼれ落ち自生したもの―が考えられます。
交雑によって未承認の、予期しない品種が生まれ、食の安全にも悪影響を与える可能性があります。食料の輸入依存が大きい日本では、自ら食の安全を守ろうとしても、守りきれない事態が生じています。
GMナタネの自生調査を通じて、日本の農産物を守っていく重要性を再認識し、伝えていく必要があります。
環境保護団体・グリーンピース・ジャパンの棚橋さちよさんが署名の趣旨を説明し、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンの纐纈美千世さん、都市と農村の交流を進める若者のグループ・トージバの神澤則生さんが署名を手渡しました。
同署名は、(1)全食品を遺伝子組み換え表示の対象にすること(2)意図せざる混入の許容率(五%)を引き下げること(3)動物用の飼料も表示すること―を求め、二十五日現在で、百一団体が賛同、署名数は十六万一千五十八筆集まっています。
参加希望者は、氏名、住所、電話番号、あればメールアドレスを記入して、農民連食品分析センターまでお知らせください。電話、ファクス、郵便またはメールで受け付けています。
一回分の検査キットは千二百円になります。振り込み確認後、検査キット、検査マニュアルを送ります。振込手数料はご負担ください。申込期間は六月上旬まで。
《申込・問い合わせ先》
〒173―0025
東京都板橋区熊野町四七の一一
農民連食品分析センターナタネ調査隊
TEL FAX 03(3959)5660
《郵便振替》
口座番号 00110―9―391416
加入者名 農民連食品分析センター
※通信欄にナタネ係とお書きください。
遺伝子組換えナタネ調査隊のホームページ
http://earlybirds.ddo.jp/natane/
[2008年4月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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