「農民」記事データベース20080331-822-09

阿見のおいしい里だより

茨城県南農民組合女性部 飯野靖子


自然からの贈り物―タケノコ

タケノコ 桜前線とともに南からタケノコ前線も上ってきます。茨城県はタケノコの北限になっています。温暖化が進めば、北上していくかもしれません。フキノトウに続くタケノコは春でないと味わえない自然からの贈り物。地中から幾重もの黒い皮で包まれたものがニョッキリでているさまは、他の自然界にあるものとはちょっと違う代物です。

 二月ごろになると近くの竹林では竹を燃やす音がパーンパーンと勢いよく聞こえます。古い竹を切り、下草を刈ったり、日当たりを良くしたりします。番傘をさして歩けるくらいの間伐をした方がよいとか。切った竹を短くして焼却場まで運ぶのは重労働。青竹の重いこと、真冬でも汗びっしょり。たっぷりの雨と地温が上がってくると、だいたい四月上旬ごろから出始めます。

 走りのタケノコ掘りは宝探しのよう。地面のふくらみ具合、足裏の感触をみながら竹林の中を行ったり来たりして、やっと「あった!」と叫び声。旬になると、もうそこらじゅうにあって掘るのがイヤになるほどです。午前中だけで百キロ以上掘るのですから、腕も太くなるというもの。

 農家の料理は「○○ばっかり料理」と言われますが、タケノコのみそ汁は出ている間じゅう、毎朝食べても飽きないおいしさ。朝の掘りたてのタケノコはほんのり温かく、命をいただくという実感があります。タケノコの生命力を取り込み、元気になります。


《みそ汁》
(1)縦に切れ目を入れ、皮をむく。繊維を切るように切って、鍋の中へ。
(2)煮立ったらアクが出なくなるまで取り、ダシ、みそを入れる。
※タケノコのうま味が出ているので、ゆで汁は捨てない。

《タケノコごはん》

《ゆでタケノコで保存》
みそ汁、キムチ味・しょうゆ味など野菜といためる

《焼きタケノコ》
皮ごと焼いて食べるとホクホク。鎮静効果あり。

(新聞「農民」2008.3.31付)
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2008年3月

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