「農民」記事データベース20080331-822-05

地域農業の振興 協同して

農業・生活改良普及第17回全国交流集会

各地の取り組みリアルに報告

関連/いわくつきの土地に建設計画のビルにJAグループが経団連と“同居”予定


地産地消宣言を柱に援助次つぎ

 自治労連などが主催する十七回農業・生活改良普及全国交流集会が、二月二十二、二十三の両日、千葉市で開かれ、八都府県から六十六人が参加しました(写真〈写真はありません〉)。今回の交流集会は、税源移譲により農業改良普及事業交付金が大幅に削減されて二年目、農業改良助長法が「改正」されて三年目になり、その影響が各地でみられるなかでの開催となりました。

 集会では、地域で協同し農業の振興を図っている事例が報告されました。

地域の生産守るための助け合い

 このうち、「匝瑳(そうさ)市では二〇〇六年六月に『地産地消・食の安全と自給率向上都市宣言』を県内で初めて行った」と報告したのは、千葉県農民連会長の大木伝一郎さん。この宣言が実現したことにより、都市と農村の交流ターミナル「ふれあいパーク八日市場」への指導援助が充実し、米などの加工所「野良里」への助成支援、ブランド米「そうさの舞」の開発などが行われてきたこと。さらに、昨年十一月には「全国学校給食甲子園大会」で野栄学校給食センターの栄養士さん・調理師さんが地域の食材二十四種類を使った自慢の献立が評価されて、全国優勝。大木さんは「この給食センターも大規模センター構想が持ち上がっていますが、『食糧主権』の確立へ向けた運動を広げていきたい」と抱負を語っていました。

地域の食材24種使った学校給食

 また、県連副会長の竹尾忠雄さんは、一九七六年に設立し兼業農家を中心に十二戸で組織する作業受託組合、酒々井(しすい)町にある柏木水稲生産組合の活動を報告。「当初は、機械の共同利用や作業受託で始まりましたが、その後、正月用のもちや手作りみそなどの農産加工品を積極的に手がけ、今では後継者も育っています」と竹尾さん。「この間、一人の落ちこぼれも出さずに来られたのは、親せき以上の付き合いと地域の生産を守るための助け合いの集落営農組織になっているため」と述べました。
(自治労連 普及協ニュースから)


―東京・大手町再開発―

いわくつきの土地に建設計画のビルに
JAグループが経団連と“同居”予定

画像 東京駅と皇居の間にある丸の内・大手町地域の再開発計画が進むなかで、いま三つのタワーからなる高層ビル建設が進んでいます。完成は〇九年三月の予定。(写真)

 A棟は地上三十一階(高さ百五十メートル)で日本経済新聞社が入居予定。C棟は地上二十三階(百二十五メートル)で経済団体連合会(経団連)が、B棟は地上三十七階(百八十メートル)で、全国農協中央会(全中)・全農・農林中金などJAグループが入居を予定しています。

 三つのビルは、地下四階から地上二階までは共通のフロア(ワンフロア)となっており、根っこは一つのビル。これが建物の話だけであればいいのですが…。

 なお、この用地は政府合同庁舎跡の国有地でしたが、都市再生機構をトンネルに安く入手した経団連や三菱地所などの大企業が、再開発でぼろもうけをしたのではないか、と国会や都議会で追及された“いわくつき”の土地でもあります。

(新聞「農民」2008.3.31付)
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2008年3月

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