アユ日本一の清流守れ
茨城霞ケ浦取水口建設中止シンポ
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常陸野農民センターの久保田紀子さんが書いた激励のジャンボ絵手紙
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茨城県の霞ケ浦導水事業は、都市用水確保や霞ケ浦の浄化、利根川・那珂川の渇水対策などを目的として利根川と霞ケ浦と那珂川をトンネルでつなぐ事業です。しかし、浄化にはむしろ逆効果
との研究結果もあるなど多くの問題が指摘されており、トンネル工事は二十七年間かけて三分の一しか進んでいません。
特に、アユの漁獲量が日本一の那珂川に、この事業で取水がはじまると、アユの稚魚が吸い込まれるなど生態系への悪影響が予測されることから、那珂川流域にある茨城・栃木両県の全七漁協では、取水口建設中止を求める共同声明を発表しています。
そうしたなか、霞ケ浦導水を考える県民会議、茨城の水問題を考える市民連絡会、県民要求実現茨城共同運動連絡会の三者の主催で、三月一日、那珂川沿いの城里町桂公民館で、「那珂川の清流とアユ・漁業を考える集い」が開かれました。漁民を中心に各地の多様な団体等から予想を大きく超える百七十人が参加しました。
たかはし河川生物調査事務所代表の高橋勇夫さんと、とちぎ地域自治体研究所の石島久男さんが講演。その後、農家、市民運動家、研究者を加えたシンポジウムを行い、会場からの熱心な質問に答え、意見交換をしました。
高橋さんは、一度生態系が崩されてしまうと、稚魚の放流をしても取り返せるというものではないことを強調し、「茨城、栃木両県のみなさんは、那珂川の清流を守ってきたことに誇りを持っていただきたい」と、清流を守る大切さを訴えました。
(茨城県農民連 村田深)
(新聞「農民」2008.3.24付)
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