「農民」記事データベース20080324-821-02

G8サミットを問う連絡会
国際調整会議開く

参加団体が取り組み・行動計画を報告・交流

関連/なぜ世界の農民はG8を問題にするのか


 農民連や全国食健連も加入する「G8サミットを問う連絡会」は三月八、九の両日、東京都内で、ビア・カンペシーナのインドラ・ルービスさん(国際事務局スタッフ、インドネシア)をはじめ、韓国やフィリピン、香港など東南アジア各国からNGOの海外代表など八人を招いて国際調整会議を開き、内外から五十人余りが参加しました。(写真〈写真はありません〉

 国内のネットワークから、G8NGOフォーラムの下澤獄さん(JANIC事務局長)、G8サミットを問う連絡会の山浦康明さん(日本消費者連盟副会長)、サミット人権監視弁護士ネットワークの木下ちがやさん(Watch事務局)、そしてG8サミット市民フォーラム北海道の越田清和さんが、それぞれの取り組みとG8サミットでの対抗行動計画を報告。

 また海外から、ビア・カンペシーナのインドラ・ルービスさんが「なぜ世界の農民はG8を問題にするのか」(別項)、フィリピンのマリールー・マリグさんが「G8が進める『開発』の本当の姿―途上国債務から考える」、香港のメイ・ウォンさんが「G8が進める労働の不安定化と対抗する労働運動」、フォーカス・オンザ・グローバルサウス大学教授のウォルデン・ベローさんが「G8とは何か――その批判的検証」について、それぞれ報告しました。

 また、反軍事や反貧困、経済のグローバル化、環境、農業、ジェンダーなどをテーマに分科会も開かれ交流を深めました。


G8サミットを問う連絡会とは…
 G8サミットを問う連絡会は、七月に北海道・洞爺湖で開かれるG8サミット(主要国首脳会議)に疑問をいだく個人・団体からなるゆるやかなネットワーク。非暴力を前提に、G8の問題点を追及し、情報交換や連絡の体制を整え、サミットに向けて取り組まれるさまざまなイベントや対抗アクションの支援を目的にしています。

 三月一日現在の団体加入数は三十二団体、個人の賛同者は百四十一人にのぼっています。連絡先は、アタック・ジャパンと日本消費者連盟。


なぜ世界の農民はG8を問題にするのか

ビア・カンペシーナ インドラ・ルービスさんの報告(概要)

 インドラ・ルービスさんの報告、「なぜ世界の農民はG8を問題にするか」(概要)は次の通りです。

 世界の農民は、新自由主義のもとで大きな問題に直面している。食糧生産は今や、農民のもとにはなく、国家と多国籍企業にコントロールされている。種子は、農民や先住民のものではなく、多国籍企業のものになってしまった。日本でもヨーロッパでもアジアでも農地が減少している。

 地球温暖化問題では、各国代表と多国籍企業が関心を示しはじめているが、なぜこういう事態がおこったのかという視点が欠けている。今になって声高に話すこうした集団が、この危機的な事態を生み出した主体だ。グローバル化された農業と企業による食糧生産が、地球温暖化をもたらしている。そして農民が、特に小規模な農民が、気候変動の影響を真っ先に受けている。

 昨年十一月、インドネシアのバリでCOP13が開かれたが、ビア・カンペシーナは、地球温暖化を防止するためには持続可能な家族農業経営が必要だ、小規模で持続可能な農民が地球を冷やすと主張してきた。ビア・カンペシーナは一九九六年から食糧主権を提唱してきたが、これは農業・食糧政策を民衆と国家が決め、外国からの農産物のダンピングなしに自らの農業・食糧政策を決定する権利だ。私たちは昨年二月、アフリカのマリに世界中の仲間が集まって、食糧主権の実現に向けて真剣に話し合った。

 日本の農業は豊かで、まったく問題のない国のように見えた。しかし、バラ色の国ではないことを知った。今度のG8サミットでは、新自由主義のもと、世界の農民がどういう問題に直面しているのか、情報を交換し現状を知り、力をつけることができるだろう。

(新聞「農民」2008.3.24付)
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2008年3月

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