「農民」記事データベース20080310-819-10

旬の味


 私たちの集落では、二百二十五戸が中山間地域等直接支払事業に参加して活動している。傾斜地など条件がきびしい中での営農だが、農家の高齢化が進み、耕作を放棄する農地が年々増え、道路の草刈りなど共同の取り組みが困難になりつつある▼昨年収穫されたみかんの農家手取り額はキロ四十円だ!猛暑の中、懸命に作業した結果だけに“あきらめ”で声にならない。前年比で二〇%生産量が増えるだけで、大幅に価格が下落する構図はなぜなのか?▼この事業の中で、年々拡大する鳥獣被害。その対策として、集落全体で防護さくの設置を検討している。えさ場をつくらないなど、集落みんなの一致した気持ちが対策の決め手になる。「もう、いつ農業をやめるかわからないのに…」との声に寄り添い、これから農業に取り組もうとする若い農業者のために、集落の農地を守ろうと呼びかける▼みんなが「あきらめない」という声を大きくして、折しも確定申告の時期を迎える。怒りと誇りを胸に申告をしようと思う。

(畑)

(新聞「農民」2008.3.10付)
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2008年3月

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