東北農政局作製の米作りすぎポスター
抗議、回収を要求
東北農団連
関連/燃料高騰で苦しむ施設農家に邑南町が独自に助成
東北六県の農民連でつくる東北農団連(東北農業農民団体連絡協議会)は二月二十五日、農水省東北農政局が作製した「米の作りすぎはもったいない!」「米の過剰作付けは、資源のムダづかい」のポスターに抗議し、ただちに回収するよう求めました。(写真〈写真はありません〉)
また青森県連は二十七日、県知事と農政事務所長にも同様の要請を行いました。
このポスターは、東北農政局が行政機関や農協などの農業団体に三万枚、約四十万円の経費をかけて作製・配布したもの。
東北農団連会長の佐藤長右衛門さん(秋田)をはじめ、青森、山形、宮城など各県代表は「過剰なのは輸入米だ。国民が食べもしない外米に血税をつぎこむことこそ、ムダづかいではないか」「減反を強制し、なにがなんでも米の生産を減らそうとすることは、亡国農政そのもの」などと怒りの抗議を行いました。
農団連の代表らTV番組で激怒
この後、記者会見を行ったところ、毎日新聞が電子版で掲載。一晩で一万件を超える意見が寄せられ、九割以上が批判でした。また、夕方のテレビニュースや翌日朝のニュース番組でも佐藤長右衛門さんや宮城県連の鈴木弥弘さんが出演しました。二十七日朝に放映されたテレビ朝日の「スーパーモーニング」では、佐藤さんが登場し「今回だけはがまんできない」と“大激怒”ぶりを紹介。ニュースキャスターの鳥越俊太郎さんは「このポスターは、農家の根本を否定するもの」ときびしく批判しました。
米作りすぎポスター回収を
農相 撤回しないと居直り答弁
高橋衆院議員追及
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は、二十七日の予算委員会分科会で「ポスターの回収」を求めました。若林正俊農相は「ポスターを不当なものあるいは撤回をするという考えは持っていない」と、居直り答弁。また抗議した東北農団連を「生産調整そのものに反対、つくるだけ米はつくらせるべき、そういう考え方に基づく人たちの抗議」と述べたことから、高橋議員は「まさかそのような答弁をするとは」と驚きの声をあげ、「農団連の皆さんは、減反をまったくやる気はないとか、絶対転作の努力をしないとか言っているのではない」と、きびしく反論しました。
島根 高騰分の半額12円
島根県邑南(おうなん)町では、原油価格高騰に苦しむ施設農家のため、昨年十月から今年二月までの間、燃料高騰分の半額を助成することになりました。一昨年から一リットル当たり二十四円値上がりしており、助成額は十二円。野菜や花き、菌床シイタケなどを生産する約三十戸が対象です。
農民連邑南農民センターは、二月四日にこの問題で石橋良治町長に支援を求めました。このなかで、花き農家の漆谷由美さんは「ハウスを半分に仕切り、出荷を遅らせ、花の生育をぎりぎりの温度設定にするなど工夫していますが、それでも大変です」と訴えました。
町単独の助成策は農家をおおいに励ましています。
(島根県農民連 長谷川敏郎)
(新聞「農民」2008.3.10付)
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