農業・環境・食料主権テーマに農民連青年部第16回総会
“地産池消”どう進める?!新規就農・研修者と熱心に交流タイ視察をスライドで一日目は、「農業・環境と食糧主権」をテーマにした特別 企画。地球温暖化が焦点となる今年七月の洞爺湖サミットのNGO行動への参加が呼びかけられたほか、昨年十月にタイで行われたビア・カンペシーナ東南・東アジア地域農業青年フォーラムに参加した杵塚歩さん(静岡)、高橋範行さん(和歌山)、岩渕望さん(福島)の三人が、集会での様子を報告しました。三人は、フォーラムで日本での食糧主権の具体化として「地産地消」を紹介したこと、自然と共生する家族農業が多国籍企業などによって破壊されているのは、多くの国で共通だったこと、などをスライドも使いながら紹介しました。
車座になって討論この報告を受けて、参加者全員が車座になって討論。「地産地消を進めていく上で、安全を確認できる範囲はどれくらいだろうか?」「農民連が呼びかけているリレー出荷は地産地消ではなくなってしまうのだろうか?」という発言が発端となって、「学校給食に納入しているが、子どもたちとの交流が農家の大きな励みになっている。地産地消には交流が大切なのでは」「何キロという距離ではなく、生産者や作り方がわかることが大切」といった意見や、「旬でないものを外国から輸入したりしないで、なるべくその地域でできるものを、旬に食べよう、ということだと思う」「地場産を望む消費者も増えてきた。生産者が地産地消を言い続けることで消費者も変わる」など、青年らしい率直な意見が相次ぎました。
助け合いを支えに二日目は、各地の新規就農の取り組み事例を交流しました。市民が年会費を出しあい、農の担い手を育てる福島県農民連の「ゆいまある」の取り組み、和歌山県紀の川市で新規就農した今城彰伸さん、県の支援で山形県置賜地域で新規就農した目黒祥一さん、京都府の新規就農支援融資を受けながらお茶農家で研修中の植田修さんなどの事例が報告されました。各報告に共通するのは、経営が軌道に乗るまでは経済的な制度支援策が必要なこと、また新規就農者は、精神的にも技術的にも経営的にも地域の先輩農家の助けに支えられている、と強調していることです。会場からは、「技術も販路もしっかりした新規就農の青年夫婦がいたが、小学校の統廃合で子どもを通学させられず、やむなく村を離れた。営農だけでなく生活や教育環境の拡充も運動していこう」などの意見が出されました。
華麗なタイ民俗舞踊も一日目の夜には、「タイ文化交流の夕べ」として、タイからの留学生二人がタイ舞踊を披露。きらびやかな民族衣装姿での伝統舞踊に、大きな拍手が送られました。青年部総会では、各地の生産物を持ち寄った夕食交流会も大きな楽しみ。今年はトムヤムクンやグリーンカレーなどのタイ料理、静岡の郷土料理の黒おでんなども登場。イノシシ肉や各地の漬物、手作り豆腐などが並びました。途中には、タイの踊りを教えてもらい、全員で会場を練り踊る場面も。おおいに飲み、食べながら、夜更けまで語り合いました。
就農一年、助けてもらって…竹村照彦さん(長 野)県の新規就農里親制度を使って就農して一年目。リンゴを七反作っています。農業の里親の誘いで農民連に入って、技術や税金など本当に助けてもらっています。とくに四十〜五十代の組合員がなにかと心配してくれて、一人ではここまでできませんでした。全国で青年ががんばっていることを知っただけでも総会に参加してよかった。
(新聞「農民」2008.2.25付)
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[2008年2月]
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