「地方農民の反乱」に一石新潟・十日町市農業委会長から手紙新潟県十日町市農業委員会・会長の阿部三代継さんから、新聞「農民」に手紙が届きました。その一部を紹介します。
いつも新聞「農民」を興味深く読ませていただき、また農民連の活動に敬意を表し、心から拍手と賛意を送るものです。 昨年は政府が打ち出した農政改革に振り回された一年でした。現実を無視した無謀ともいえる政策が受け入れられるはずもなく、七月の参議院選挙で自民党が記録的な大敗を喫したことは、記憶に新しいところです。 マスコミはその原因を「地方の反乱」と呼んでいますが、私は農業者の「反乱」であり、平成の「農民一揆」であったと思っています。実は、あの反乱の口火を切り一石を投じたのは、わが十日町市農業委員会ではなかったかと、ひそかに自負しています。昨年五月二日、あの品目横断対策の全ぼうが明らかになった時点で、当時の小泉首相と中川農水相に、農政の転換を強く求めた建議書を送付しました。建議書の作成には、農民連の会員でもある農業委員の人たちが中心となってまとめ、総会で決議したものです。 しかし、全国的にも突出した行動でもあったために、批判の対象になったことも事実です。公費による報酬を得て、むしろ推進すべき立場にある農業委員会の使命にそぐわないとの論拠によるものでした。しかし私は、農村と農民の声を行政に届けることこそ、私たち農業委員に課せられたより重い使命であると反論し、主張し続けてきました。このことは、間違いではなかったと確信しています。 戦争中に少年時代を、そして戦後の混乱期に青春時代をすごした世代の実感として、幸せの最低条件とは「平和」であり「食糧」のあることだと思いますが、今の日本の現状を見る限り、この二つとも危機的状況にあると言えましょう。平和憲法を変えようという流れ、日本農業の壊滅を示唆する流れを阻止するために声を上げ、行動することの大切さをみんなで再確認したいと思います。
(新聞「農民」2008.2.25付)
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[2008年2月]
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