「農民」記事データベース20080225-817-13

畜産の危機突破へ決起

群 馬


全畜種農家が参加、デモ

県都中心街をトラクター11台

 前橋市で二月十二日、全県から全畜種農家百五十人が集まり、群馬県畜産危機突破決起大会が開かれました。

 同大会実行委員長の住谷輝彦さんが主催者あいさつ。畜産の危機が広がるなか、「全国の畜産農家が手をつないで立ち上がるときだ」とのべ、消費者にも現状を理解し、支援してもらうことの重要性を指摘。「全国の畜産農家と手を携え、きょうの決起大会をりょう原の火のように広げよう」と呼びかけました。

 来賓あいさつにたったJA群馬中央会農業対策部次長の楢原俊彦さんが、農協でも生産者に対する所得確保のための特別対策、展望がもてる経営所得安定対策を求めている点を強調。「連帯してがんばる」と決意表明しました。

 浜松市からかけつけた畜産農民全国協議会の森島倫生会長は「みなさんの熱い思い、願いを全国の畜産農家と農水省に届けます。この行動が農政を大きく動かす力になります」と激励しました。

 参加した畜産農家が発言。「農家があと一年か二年で半分、十年後にはなくなると危ぐしている。畜産も養蚕の二の舞になりかねない。世論に訴え、団結するしかない」(酪農)、「えさ代が一万五千円以上上がった。夫婦二人で母豚百頭規模の平均的な農家でも一千万円の生産コストアップに苦しんでいる」(養豚)、「えさ代が一年でトン当たり一万五千円値上がりした。えさ代に卵の売り上げが追いつかない」(養鶏)などの声があがりました。

 消費者から「国産の安全・安心な肉や卵を食べられなくなると危機感をもった。消費者にも現状を知らせたい」との発言がありました。

 最後に「畜産経営を守り、発展させることは一農家の経営問題でなく、国民の食糧を守るという大義です。安全で安定した食糧を供給するため、要求を実現し、畜産経営を守り抜くために全力を尽くします」との大会決議を採択しました。

 大会後、県庁前の中心街をデモ行進。軽トラック三台、トラクター十一台も連なる壮大な隊列を組んで、道行く人にアピールしました。前橋市内で酪農を営む鎌塚智子さん(40)は「農家だけでなく、国民の食料の問題です。国はもっと危機感をもってほしい」と要望します。

 干し草を軽トラックに積んで参加した渋川市の後藤浩信さん(41)は「今日の行動で、消費者にも現状をわかってもらえれば。国が動いて、若い人が希望のもてる施策を」と話していました。

(新聞「農民」2008.2.25付)
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2008年2月

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