「土をみる農業」テーマに研究会「農の会」が総会
健康な農作物づくりを発表農民連に団体加盟する「農の会」の定例研究会と総会が、一月二十六・二十七日の両日、東京都内で開かれました。農の会ではこの十年間ほど、「健康な農産物を育てるために、土壌をどう生かすか」という視点から、「土づくり」ではなく「土を生かす・活かす」農業を検証してきました。今年の定例研究会のテーマは「土をみる農業」。 最初に、東京大学名誉教授の熊沢喜久雄さんが「環境保全型農業と作物の品質」をテーマに講演しました。熊沢さんは、日本の食料・飼料を大量に輸入する現状が、物質循環に大きな矛盾を与えていることを指摘しながら、環境保全型農業の技術やその作物が人の健康にも役立つことを紹介しました。(写真〈写真はありません〉) 実践報告では、長野県で新規就農した土肥寛之さんが、土壌診断を活用したスイカ栽培を報告。土肥さんは毎年土壌診断をすることで、土が必要とする、あるいは必要ではない養分を科学的に把握し、年ごと、畑ごとに施肥設計を行い、すばらしいスイカになった例を紹介しました。 静岡県の内田達也さんは、共同生活をしながら自然循環を重視した有機・無農薬農業に取り組む生産者グループの活動を紹介。技術の向上に土壌診断を取り入れている様子を話しました。
ピートン栽培・種取り経験を交流二日目は、農の会会長で東京農工大学名誉教授の柳下登さんが、ピーマンとトウガラシを接ぎ木交配させて育種に成功した「ピートン」の栽培と種取りの経験を交流。ピートンの実際の栽培はまだ始まったばかりですが、甘く肉厚で、臭みがなく、若い緑の実から赤い熟果までおいしく食べられるとあって、「野菜の産直ボックスにピッタリ」と楽しみながら栽培に取り組んでいることが報告されました。
多国籍バイオ企業の横暴許さないノーGMワークショップ開く遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンは一月二十六日、東京都荒川区で「遺伝子組み換え食品に『NO!』〜多国籍バイオ企業の横暴を阻止しよう〜」をテーマにワークショップを開きました(写真〈写真はありません〉)。これは「世界社会フォーラム2008・もうひとつの世界のための1・26グローバルアクション」の一環です。フランスでの遺伝子組み換え(GM)食品反対運動を描いたDVD「遺伝子組み換えNON! フランスからのメッセージ」が上映されたのに続き、同キャンペーンの小野南海子さんが日本でGM作物栽培を阻止した運動を紹介しました。(別項) さらに条例にGM作物の交雑・混入防止項目を入れた都道府県が北海道、新潟、千葉、京都、徳島に広がり、茨城、滋賀、岩手、兵庫、東京では指針・方針が制定されたこと、市町村では、愛媛県今治市、茨城県つくば市で条例・方針が制定されたとのべました。「自治体の条例などは運動の成果」だと強調しました。 生物多様性を守るよう求めたカルタヘナ議定書について議論。同議定書を具体化した日本国内の法律は、GM汚染から守るべき対象から農作物を除外したため、GM作物阻止に力を発揮できない問題点が出されました。
GM作物の開発をストップさせた例
▼モンサント社と愛知県が共同で開発したGMイネ「祭り晴」にたいし、五十八万人分の反対署名を提出して開発をやめさせ、モンサント社は日本でのGMイネ開発から撤退した。(2002年12月) |
[2008年2月]
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