東京2・13総行動
なくせ貧困! 上げよ米価・乳価!
農水交渉で/総決起集会で/パレードで
農民、労働者らが農産物価格保障、最低賃金制度確立などを求める「なくせ貧困総行動」が二月十三日に都内で行われ、農民連も全国から百五十人が集結し、農水省交渉、集会、デモ行進に終日取り組みました。低米価、飼料・資材高騰に苦しむ農家の怒りをぶつけ、アピールしました。
自給率向上で農業守れ
トラクター銀座を走る
農民の怒りアピール
水より安い牛乳掲げ
日比谷野外音楽堂で開かれた二つの総決起集会ではのべ七千人が集い、労働者、業者、市民、女性、青年が訴えるなか、農民連は二つの横断幕を携えて登壇。白石淳一会長が牛乳の入った五百ミリリットルのペットボトルを掲げ、「生産者の手取りは三十五円。水よりも安い価格です。この価格が毎日汗水流して働いている酪農・畜産農家の対価です」と指摘しました。
さらにえさの高騰が畜産・酪農家を直撃している現状を示し、「『このままでは続けられない。せめてこのペットボトルを四十円にしてほしい』というのが農家の切実な願いです」と強調。中国製冷凍ギョーザ事件にもふれ、「食料自給率三九%という異常な事態が招いた結果だ」と批判しました。
白石会長は「お金を出せば何でも買えるという時代は終わった。この状況を直視すれば自国の農業を振興することが急務です」と訴えました。
ジャンボギョーザも
農民連は、農水省前に移り国民の食糧と健康を守る全国連絡会(全国食健連)の抗議行動に合流。新日本婦人の会の玉田恵副会長、全農協労連の老田弘道委員長が「農業を守れ、自給率を上げろ」の声をあげました。
農民連からは、福島の佐々木光洋さん、岩手の千葉勉さんの二人がマイクを握りました。(発言大要は別項)
農民連、畜産農民全国協議会、食健連は、日比谷公園から銀座までデモ行進。千葉、埼玉からかけつけたトラクター三台を先頭に、「なくせ貧困!上げよ米価・乳価! 自給率向上で食の安全と農業守れ」の横断幕やプラカード、ジャンボギョーザを掲げて、通行人、買い物客、ビジネスマンらにアピールしながら官庁街、ビジネス街を歩きました。各団体のデモ行進を、集会実行委員会が審査した結果、農民連は特別賞を受賞しました。
トラクターを運転した千葉県成田市の岩立孝一さん(75)は「市民が少しでも農家の実態に目を向けてほしいという思いで参加しました。農政を変える布石になってくれれば」と話していました。
飼料の高騰で酪農は厳しい
福島・佐々木光洋さん(酪農家)
毎日牛乳を搾っています。今日も朝、搾ってきました。帰ってからも搾ります。三百六十五日仕事をしていますが、配合飼料の高騰で、現在の酪農はたいへん厳しい。
えさは、酪農を続けていくうえで一日たりとも欠かせない重要なものです。牛乳の収益が飼料の上昇分ですっかり消えてしまっています。それなのに農水省は、既存のシステムにのった上での対応ばかりです。
みんなで国産の牛乳を飲もうという声をもっと広げ、酪農を守っていきたい。
やはり今の農政変えないと
岩手・千葉勉さん(米農家)
地域で十年前に結成した集落営農の代表をしています。「大豆・麦を米の代わりに作れ」と言われます。
大豆を一キロ作れば販売代金が四十四円になりますが、乾燥・調整代で四十一円もとられてしまいます。生産費を償えず、資材さえ買えない状態です。
今の政治を変えないといけないと、他の農家も言うようになりました。
私たちが生産意欲を持つためにも、生産費の価格保障をなんとしても実現してほしい。地域の集落ビジョンを作って品目横断的経営安定対策にものってきましたが、やはり農政を変えなければなりません。
(新聞「農民」2008.2.25付)
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