「農民」記事データベース20080218-816-01

農民連女性部第19回総会

母ちゃんの がんばりが 決定打

爆笑爆笑 涙あり 脱線あり

 「母ちゃんたちのがんばりが、食料危機打開と地球温暖化防止の決定打!」――農民連女性部の第十九回総会が、二月三〜四日、東京・本郷で開かれ、全国から百十二人の女性農業者が集いました。会場は爆笑につぐ爆笑の渦。涙あり、脱線あり、厳しい情勢に負けず、ものづくりへの思いあふれる総会となりました。


みんな集まればチエが出るわ

加工にも直売にも仲間ふやしにも税金問題でも

 ユーモアいっぱいの田中さん講演

 討論に先立って爆笑の嵐に巻き込んだのが、「未来に渡したいバトン」と題した田中美智子さん(元衆議院議員)の記念講演。田中さんは、アメリカの9・11事件などに触れながら日本国憲法のすばらしさをユーモアいっぱいに語り、「政治も、自分の生き方も、軸足を絶対動かさないことが大事。そうすれば本質を見抜く力も生きる自信もわいてくる」と訴え、大きな感動をよびました。

 得意を生かした取り組みが好評

 「みんなで集まれば知恵が出る。困った時こそ集まって、前に進んできた」――こう発言してお母さんたちを励ましたのは、茨城県常陸野農民センター女性部の久保田紀子さん。山菜・きのこ採りや絵手紙など楽しくサークル活動しながら、女性が加工やもの作りの先頭にたっている様子を発言しました。

 群馬県利根沼田の直売所リーダーの角田幸代さんは「農家のお母ちゃん三十人で、直売所を運営。得意を生かした加工品などが好評」と報告。岩手県女性部の千葉幸子さんは、毎年取り組んでいるしょうゆ作りを原点に加工交流会を開き、郷土の食文化を掘り起こす取り組みを紹介しました。

 女性たちの活動は加工や直売にとどまりません。学校給食への食材供給と仲間ふやしをあわせた取り組み(兵庫)や、国保税の減免の取り組み(青森、茨城)、免税軽油(宮崎)など、多彩な発言が続きました。

 厳しい情勢にも運動の担い手で

 また情勢の厳しさと真っ向から向き合う発言も。福島県の渡部チイ子さんは「米価が暴落し米農家は百万単位で減収している。品目横断で集落内での小さな共同が壊されている」と発言。「ミカンが一キロ六十円に暴落。ミカンの生産量よりバナナの輸入量の方が多い」(静岡・佐藤妙子さん)、「畜産県だが、飼料と燃料の高騰で農家が減っている。畜産の決起集会を開き、トラクターも出してデモ行進する」(群馬・住谷菊代さん)などの発言が続きました。

 このほかにも、「新婦人の活動に参加して、農業の現状を知ってもらい、農民連への信頼を得る努力をしている」(群馬・井上さだ子さん)、「大見本市にお母ちゃんを中心に参加して注文が増えた。今年もがんばる」(高知・野田睦美さん)、「今年は農業委員選挙の年。女性も農業委員として活躍を」(千葉・齋藤教子さん)など、女性も運動の担い手として奮闘している様子が各地から報告されました。

 平和と憲法への思いが自分の言葉で語られたのも女性部ならでは。「三人の息子たちを人殺しにしたくない」(群馬・中村美智子さん)との発言に、会場一同ジーンと涙してしまう場面もありました。

 洞爺湖サミット行動成功させる

 総会には、ビア・カンペシーナのユン・グンスンさん(韓国)、イルマ・ヤニーさん(インドネシア)らが出席。「命を産み、育てる女性は、誰よりも環境・生命・農業の大切さを知っている。女性が動けば、男性も動く。女性が運動の先頭に立って、地球温暖化がテーマとなる洞爺湖サミットでのNGO行動を成功させましょう」というユンさんの訴えに、会場は大きな拍手で応えました。

 参加して本当によかった

  北海道から参加した寒川敏子さんと義母の静枝さん親子

 「ここに来て、元気をもらいました。七月の北海道はたいへんな農繁期ですが、この元気を北海道の皆に伝えて、洞爺湖サミット行動を成功させる力にしたい」(敏子さん)、「連れてきてもらって本当によかった。若い人たちのがんばっている意味がよくわかりました。私もトマトもぎがんばって、協力します」(静枝さん)


大きな楽しみ 夕食交流会

ふるさとの味104品ズラリ
「ズンドコ節」を全員踊り

 毎年、参加者の大きな楽しみとなっている夕食交流会。今年も北は北海道、南は鹿児島まで、農村のお母さん手作りのふるさとの味百四品目が大集合しました。

 イチゴと大豆の白あんの入った可児すみ子さん(岐阜)作「米粉大福」は、交流会の始まりと同時になくなってしまうほどの大人気。茨城・常陸野からは、山菜サークルでとった「ワラビ漬け」が。天日干しの黒ゴマを使った「黒ゴマぼたもち」ほか十四品目を持って参加した千葉県のお母さんたち。漬物、煮物、お菓子、ご飯もの、果物、ジュースなどなどテーブルを埋め尽くす自慢の品々は、あらためて農村・農業の豊かさに感動させてくれるものでした。

 出し物も大盛況。農作業を振り付けにした氷川きよしの「ズンドコ節」では、来賓まで含めて全員が踊りに参加。最後は下田和代さん(群馬)のハーモニカの伴奏で「ふるさと」を全員で合唱しました。

 総会・交流会で、日本共産党参議院議員の紙智子さんのほか、婦団連会長の堀江ゆりさん、日本母親連絡会事務局長の紺野英子さん、新婦人副会長の笠井貴美子さん、全労連女性部長の柴田真佐子さんが、来賓あいさつしました。

(新聞「農民」2008.2.18付)
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2008年2月

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