「農民」記事データベース20080211-815-08

学校給食甲子園 全国優勝すご〜い

おめでとう千葉・匝瑳市 野栄センター


野栄の給食は地域の宝です

地産地消宣言都市・匝瑳(そうさ)市

 「学校給食甲子園“優勝”おめでとう!」――

地場産の食材を使って自慢の給食作りを競う全国学校給食甲子園(主催NPO法人二十一世紀構想研究会、後援・文科省、農水省)で、千葉県匝瑳市野栄(のさか)学校給食センターの秋山真理子さんと小川徳子さんが優勝しました。全国千百六十九校をおさえての優勝は、地域の大きな誇りとなっています。

 ふるさとの豊かさに誇りもって

 「給食は、子どもたちにとって大切な“食事”の場です。自分たちの食べ物がどうやって作られているか、作っている人の苦労も子どもたちに伝えたい。一つでも多くの地場産食材を使うことで、子どもたちにふるさとの豊かさを誇りに思ってほしいのです」―こう話すのは、栄養士の秋山真理子さん。

 野栄学校給食センターでは今、中学校一校、小学校二校、幼稚園一園に、全部で九百四十食余を、九人の調理員さんで作っています。週三回は米飯。

 地場産食材はお米をはじめ、野菜、果物、海産物、米粉パンなど六十品目が使われています。仕入れは、学校給食の食材調達として一般的な入札方式ではなく、一つ一つ食材ごとに、生産者との相対取引で直接、センターに届けられています。もちろん、今大問題になっている冷凍加工食品は使っていません。

 おいしい給食をたべさせたい!

 「手間はかかりますけど、そんなこと、あの素晴らしい野菜たちを見たら吹き飛びますよ。調理員さんたちの技術も高くて、こんな食材を使って給食を作れることを誇りに思っています」。もう一人の栄養士の浪川昌子(よしこ)さんもこう言います。「同じメニューでも、食材によって味がまったく変わります。生産者の皆さんのこだわりを聞くと、どうしても“これを子どもたちに食べさせたい”と思うんです」と、目をキラキラさせて話す秋山さん。「子どもたちにおいしい給食をたべさせたい!そのための手間は惜しまない」というセンター職員一丸となった、並々ならぬ情熱がひしひしと伝わってきます。

 給食センター統合計画進められ

 野栄学校給食センターが地産地消に取り組み始めたのは、五年ほど前から。「このような学校給食が実現できるのは、地元のみなさんに支えがあってこそです。県や市の地産地消宣言も、大きな後押しになりました」という秋山さん。匝瑳市では「地産地消・食の安全と自給率向上都市」宣言を採択。直売所や加工所への支援などが取り組まれ、学校給食も地産地消の大きな柱となっています。

 ところが、匝瑳市では今、市内のもう一つのセンターと統合して、大規模給食センターを新設する計画が進められようとしています。食品価格の高騰で、各地の学校給食が苦境にありますが、野栄センターでは「加工食品を使っていないので、今のところそれほど直撃はありません」とのこと。地産地消は、食品高騰にも有効のようです。


イチゴとネギを納入する越川邦男さん(写真〈写真はありません〉

 センターが近いので、納入する日の朝に収穫して届けられるのがうれしい。市場出荷と違って、子どもたちに新鮮で、完熟させたものを食べてもらえます。学校給食甲子園の優勝はすごいこと。野栄の給食は、地域の誇りですね。

ピーマンを納入する佐藤利久さん

 子どもから嫌われる野菜ナンバーワンのピーマンですが、有機栽培で苦味・エグ味のないピーマン作りを心がけています。息子も就農したのですが、地元にこういう出荷先があることは大切です。地場産の学校給食は、地域の農家を支援する上でもとてもよいと思います。

(新聞「農民」2008.2.11付)
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2008年2月

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