都会の中で貴重な自然・農地
なんとしても守りたい
区画整理に反対する名古屋市守山区 野田農場
関連/主婦会館前で産直市
「守る会」が繁華街で宣伝・署名
名古屋市守山区中志段味(なかしだみ)にある野田農場。庄内川の肥沃(ひよく)な農地がひろがっていたこの地域は、十二年前に計画された、仮換地指定もしない工事だけ優先する特定土地区画整理事業(名古屋方式)で、農家の高齢化と跡継ぎがいないことから次々に農地が失われ、いまでは野田農場などわずかに残るのみです。
野田農場は一ヘクタール余りの農地で、米と野菜を生産。その周辺には、クロガネモチの巨木と竹やぶなどの林が広がり、ウナギの一種のスナヤツメなど絶滅危惧(きぐ)種の生き物もみられる自然豊かな生態系が残っている地域です。もし区画整理事業に同意すれば、野田農場もクロガネモチの木も豊かな生態系も全部なくなり、二メートルかさ上げした造成地になってしまいます。
最近、テレビなどマスコミからも注目されていますが、それに比例して、土地区画整理組合は厳しい立ち退きをせまっています。野田農場を経営する野田輝己さん、幸子さんは、名古屋市の認定農家。「ここで農業を一生続けたいという若い夫婦がいるのに、どうして捨てなければならないのか」と反論。農業を引き継ぐ茂生さん、留美さんも「都市の中で貴重な自然と農地。食育のためにも残したい」と熱く語ります。
昨年十二月、尾張野鳥の会会長の浅沼秀夫さんが会長になって「クロガネモチの木と野田農場を含む自然環境を守る会」を結成。「守る会」は、名古屋市の繁華街で「食糧主権」と書いたハッピを着て宣伝と署名に取り組んでいます。
浅沼さんは、ラムサール条約に登録された藤前干潟(名古屋港のなかにある日本最大級の渡り鳥渡来地)の保存のために粘り強くたたかった人。「ここは市内で一番自然が残っているところ。守るには世論と住民の運動がカギ」と話しています。
詳しくは、野田農場のホームページhttp://noda.orenest.net/まで。
ふるさとネットと首都圏の産直組織
農民連ふるさとネットワークと首都圏の産直組織は一月二十九、三十の両日、東京・JR四谷駅前の主婦会館前で産直市を開きました(写真〈写真はありません〉)。会館の利用者をはじめ、通りがかりの人らが立ち寄り、各地の産直品を買い求めていました。
「前回ここで買った干物がおいしかった」「今度はいつやるの」「定期的にやってほしい」など会話がはずみました。
(新聞「農民」2008.2.11付)
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