「農民」記事データベース20080204-814-11

旬の味


 農村は米激安で、稲作存亡の危機を迎えている▼わが農協の広報誌は“減反しないで米を作っている者がいる。それが最大の原因だ”という新聞記事を麗々しく転載している。三十数年にわたって“生産者米価を守るため”と称して、減反を押し付けてきたが、一度たりとも百姓の望む米価になったことがあったか▼生産費価格補償方式の食管制度が壊され、貿易自由化が推し進められてきた。減反は政府・行政の側から農協・農民の側に移され、“仲間喧嘩(けんか)”が仕掛けられた。米価は市場原理に委ねられ、ミニマム・アクセス米は「義務」と称して、これまで八百三十二万トンも輸入された▼農民の怒りの声におびえたのか、備蓄米を百万トンまで買い増ししたが、また新米の時期に安値で放出しようというのか。これでは米激安への呼び水だ。農家がうまい米を出そうと網目を広げれば、くず米が量販店の安売り米に化ける。政府の「米改革」こそ、米価暴落の原因だ。国の胃袋を農民が守る、そこに食糧主権がある。

(実)

(新聞「農民」2008.2.4付)
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2008年2月

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