「農民」記事データベース20080204-814-08

韓米FATに反対してたたかう韓国農民会総連合のパク・キビョンさん

食健連・国際フォーラムでの報告 》下《
(大  要)


米国の資本参入自由、違反に提訴も自由

批准反対のたたかい大きく

 農業やサービス部門も標的に…

 FTAの中身をみてみますと第一次産業、なかでも農業が崩れていくような内容になっています。もう一つは、薬の問題です。アメリカで新薬が開発されたとき、テストしてから韓国国内に流通するわけですが、それも廃止され、アメリカのものがストレートにくるわけです。

 公共性のある医療や教育も営利法人化を積極的に進めていく内容になっています。そこにアメリカ資本がいつでも参入できるようになっていて、医療であれ、教育であれ、金もうけの手段になってしまいます。

 もう一つは多国籍サービスという問題です。たとえばコマーシャル、コンピューター、金融、郵便、観光などでアメリカは最恵国の待遇を受けることになります。韓国はまだ郵便は民営化になっていませんが、民営化を進めて、アメリカの宅配業者が入って、郵便・宅配業務ができるようにする。エネルギー産業も、電気や水を標的にして、握っていこうという動きもあります。

 アメリカの金融、生命保険会社に営業許可を与えて営業しやすくし、サービス部門で関税障壁をすべてなくして、知的財産権でもアメリカが握っていくという内容です。すべからくアメリカの支配に組み込もうというのです。

 農家に補助金出し保護すると…

 さらに貿易をめぐって紛争になった場合、企業が相手国の政府を訴えることができるという条項です。たとえばアメリカ産牛肉を売る会社が、韓国で自由に競争したいと考えているところに、韓国政府が韓牛農家にたいして補助金を出すとか、牛肉流通業者を手厚く保護するとします。その場合、アメリカの会社が韓国政府を相手取って訴訟を起こすことができるのです。

 またアメリカの産業廃棄物会社が韓国で産廃を処理するということになったときに、韓国の環境条項に違反してしまい韓国で産廃を処理できなくなったとします。その場合、その会社は損をしたということになり、FTAの自由な貿易ルールに違反したということで韓国政府を訴えることができます。韓国の国内法は自由貿易を妨げているということで提訴することができるわけです。

 日韓の労働者、農民が手携えて

 韓国では、FTAに反対するために、労働者、農民、青年・学生、女性など多くの団体が集まって、反韓米FTA阻止国民運動本部を結成し、大きな取り組みを行っています。政府間の交渉は妥結しましたが、国会での批准に反対する闘争が大きく盛り上がっています。

 これからこの恐ろしい新自由主義的なグローバリゼーション、FTAをくい止めるために、世界の人々が手をつないで、これを阻止しなければなりません。日韓の労働者、農民が手を携えていくなら、大きなたたかいができると思います。

(おわり)

(新聞「農民」2008.2.4付)
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2008年2月

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