「農民」記事データベース20080128-813-11

本の紹介

農民連副会長・真嶋良孝著
「いまこそ、日本でも食糧主権の確立を!!」


食糧争奪戦やバイオ燃料など資料使ってわかりやすく解説

いまこそ、日本でも食糧主権の確立を!! 農民連の副会長で国際部長の真嶋良孝さんが、ブックレット「いまこそ、日本でも食糧主権の確立を!」を発刊しました。このブックレットは、真嶋さんがいまの食と農の問題についてわかりやすく語ったもの。

 いま、食品価格の値上げがオンパレードです。「お金を出せば、いくらでも食べものを手に入れることができる」時代ではなくなりました。なぜこんなことになったのか。その原因は、自動車用のバイオ燃料と人間が食糧を奪い合う「食糧争奪戦」にあります。自動車一台を満タンにするのに、トウモロコシが百十キロ必要という。これはトウモロコシを主食にするメキシコなどの一人当たりの年間消費量に匹敵するという話に驚きます。

 アメリカの身勝手のためにどんなことが起こっているのか。わが国の畜産では、家畜の飼料原料はほとんどをアメリカからの輸入にたよっており、エサ代の高騰で倒産と廃業が続出。そして、最も被害を受けているのは、飢餓に苦しむ人々です。また「バイオ燃料は地球に優しい」と言われる裏で、温暖化ガスの吸収源である熱帯雨林が犠牲になっています。ボルネオ島で原生林を伐採して、巨大な油ヤシ・プランテーションの計画が地図入りで解説されています。

 一方、日本農業は決して劣等生ではないのに、「日本に農業はいらない」という政策が推し進められてきました。WTO・FTAが世界の農業に何をもたらしているかを、ビア・カンペシーナの仲間との交流などを通じて語られています。そして、食糧主権が世界に広がっていることを紹介し、食糧主権の確立に向けたたたかいを力強く呼びかけています。

 農民連の笹渡義夫事務局長は「わかりやすくて資料も豊富。読めばだれでも語り部になれる」と、大いに普及を呼びかけています。学習会などのテキストに最良です。

※定価 600円(ただし、注文部数により割引きあり)

※問い合わせ・注文は、農民連本部まで

(新聞「農民」2008.1.28付)
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2008年1月

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