「農民」記事データベース20080128-813-04

韓米FATに反対してたたかう韓国農民会総連合のパク・キビョンさん

食健連・国際フォーラムでの報告 》上《
(大  要)


農業・映画・医薬品・排ガス規制

すべてでアメリカいいなりに

 アメリカとのFTA(自由貿易協定)が締結されようとしている韓国では、これを阻止するたたかいが大きく盛り上がっています。〇七年十二月六日に都内で開かれた全国食健連主催の国際フォーラムでは、韓国農民会総連合のパク・キビョンさん(釜慶農民連盟政策委員長)がパネリストとして参加し報告、大きな反響を呼びました。パクさんの報告の大要を紹介します。

 政府に圧力かけた

 いま韓国では、アメリカとの間で韓米FTA(自由貿易協定)が締結されようとしていますが、韓国でいま何が起こっているのか、また反対運動をどのように行っているのかについてお話ししたいと思います。ただし韓米FTAの交渉が非公開なために一部不正確な部分もあるかもしれません。

 その中身は、アメリカに組み込まれるものになっています。その内容をみてみると、商品の取引だけではなくて、社会全体に及ぼす影響が非常に強くなっています。

 FTAを結ぶにあたって、アメリカは韓国政府に(1)米国産牛肉を買え(2)韓国映画を年間百四十六日上映しなければならないというスクリーンクオーター制度に対して「ハリウッド映画を上映しろ」と圧力をかけて七十三日間に縮小した(3)医薬品の価格を抑えようと法律化を検討していたがアメリカが文句を言ってきた(4)自家用車の排ガス規制をアメリカの基準に合わせるよう圧力をかけた――以上を、専決条件として飲ませてしまいました。アメリカ産の商品が、市場で自由に取引できるようにするということです。

 補助金が違反に…

 二番目は農産物です。アメリカ産農産物の関税は即時撤廃、韓国産は段階的に関税を撤廃していくという内容です。またセンシティブ条項がなくなり、米を除いてすべて自由で、関税がなくなります。米も門戸を開いたのと同じで、ミニマム・アクセス米で、アメリカ産の米を一定期間輸入しなければならない状況にあります。

 さらに補助金そのものがFTA上違反になるのです。農家にたいする補助金、農家にたいする直接支払い、各種さまざまな補助金が公正な貿易ルールに違反するというわけです。ひどいのは、農協が農民にたいして、低利で貸し付けするようなことも、公正な貿易ルールに反するということになってしまう。

 韓国政府は「携帯電話、半導体を輸出して、農産物は輸入して食べれば、人間は生きていけるじゃないか」と考えているのではないか。これにたいし、私たちはこう言っています。「役人や大統領はご飯を食べるな。携帯電話や半導体を食べて生きていけ」と。

(つづく)

(新聞「農民」2008.1.28付)
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2008年1月

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