「農民」記事データベース20080121-812-08

国保料・所得税の減免、サラ金対策

私たちはこう取り組みました

東北農民運動交流集会で 青森県連の須藤宏さんが報告


 青森県農民連の須藤宏さんは、昨年十一月の東北農民運動交流集会で「国保税(料)・所得税・サラ金対策の取り組み」について報告しました。

 国保料の減免規則

 弘前市では、二〇〇二年四月に国保料の減免規則ができました。生活保護基準を目安に、世帯合計収入額が基準以下の人は所得割額の十分の十、基準を超えて一・二倍未満の人は十分の五減免されます。“国保料を引き下げて”という署名活動などで実ったものです。

 この減免規則によって、たとえば一人暮らしの老人が五十二万円から五万二千円に、また五人家族の四十八万四千六百円が十七万四千円に減免された例があります。

 ほかの自治体では、「(所得がなく生活が著しく困難になった者に)準ずると認められる者」という規定で明確になっていません。突き詰めていくと「生活保護基準」にならざるをえないので、弘前市のように明確な基準を規則などで作らせる必要があります。

所得税の更正の請求

 次に所得税の「更正の請求」についてですが、「更正の請求」とは、払いすぎた税金をかえしてもらうことです。農民連に入ってきちんと収支計算したSさんの場合、住民税・保育料も含めて七十五万円余り戻ってきました。「更正の請求」ができるのは、申告期限から一年以内ですが、税務署長の職権で五年以内も可能ですから、請願書を付けて五年分を請求することもできます。

 サラ金の負債相談

 それから最近増えているのが、サラ金の負債相談です。十一人から相談があり、そのうち八社のサラ金と特定調停(利息制限法の利率を超える違法な金利)、十一社と過払い返還訴訟を行い、ほぼ原告の主張どおりに和解・勝訴を勝ちとっています。たとえば、ある人は十社から総額二百万円にのぼる残債務がありましたが、特定調停や過払い返還訴訟で十六万円に減額させて和解しました。そのなかには、武富士にあった百万円近くの債務を特定調停で四万二千円余りに。またアコムにあった一万五千円近くの債務を過払い返還訴訟にかけたら二十五万円戻ってきました。

 なぜ借金するのかというと、九〇年の台風19号被害の借金を引きずっていることや、その後の凍霜害などの災害でなかなか返せなくてサラ金に手を出すというケースがあります。

 相談活動の心得は、請負ではダメだということです。目の色が変わるぐらい本人がその気にならなければ解決にはつながりません。わからないことは専門家や経験者に聞きながら、相談者といっしょになって納得づくで解決していくことです。

(新聞「農民」2008.1.21付)
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2008年1月

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