「農民」記事データベース20080121-812-04

品目横断対策の根本的見直しを

農民連が農水相に要請

関連/東北、滋賀、福岡・京築も


 農民連は昨年十二月十八日、若林正俊農水大臣に対して、品目横断対策の抜本的見直しやエサ代の高騰など畜産問題で緊急対策を要請しました。(写真〈写真はありません〉

 品目横断対策は、制度開始の初年度から大きな矛盾が噴出。地域に混乱と不満が広がっています。品目横断対策でカバーできた水稲作付け面積が二六%にとどまっていることからも明らかなように、多数の農家が面積要件などで対象からはずされ、また加入した農家からも交付金水準の低さなどから「こんなはずじゃなかった」という声が噴出しています。

 品目横断対策では、(1)加入要件の大幅な緩和や対象作物の拡大、(2)緑ゲタの交付水準引き上げ、(3)申請時に「担い手」でなければ黄ゲタの交付申請ができないなどの問題、(4)一時所得扱いの継続―を要請。

 また、飼料価格の高騰が畜産農家の経営を直撃している畜産問題では、配合飼料の価格安定制度を破たんさせないために国が基金に積み増しすることや、生乳価格はもちろん加工原料乳の補給金や食肉・子牛の基準価格の引き上げなど、畜産農家の経営安定が急務です。当面の対策として、(1)加工原料乳補給金単価の期中改定によって〇七年度下期分から引き上げること、(2)現行の肉牛経営マル緊制度を、BSEマル緊並みの緊急対策を講ずることを要請しました。

 白石淳一会長や前会長の佐々木健三さんらは「ぜひ現場の声を聞いて、緊急の対策を講ずるべきだ。農家はもう限界だ」と訴えました。また笹渡事務局長は「いまこそ、輸入飼料依存型をあらため、休耕田などを活用して飼料用稲・作物の栽培など国産飼料の増産に取り組むべきだ。農民連としても、おおいに取り組みたい」と述べました。


米価暴落、品目横断対策問題で

東北、滋賀、福岡・京築も

 東北六県の農民連でつくる東北農団連(東北農業農民団体連絡協議会)は昨年十二月十九日、東北農政局に対して、生産者米価下落に対する抜本的な対策など十六項目、また仙台国税庁にも、〇七年度の農業所得申告にあたって十五項目を、それぞれ要請しました。

 また滋賀県農民連(北村富生会長)は、十二月二十五日、県に対して品目横断対策が一年で破たんし、米価暴落が農家に深刻な打撃を与えている問題で要請しました。

 福岡・京築農民組合は、「品目横断対策の抜本的見直しを求める意見書」の採択を求めて、地区内の二市五町の十二月議会に請願書を提出しました。このうち、行橋市など一市三町で採択。組合員から「まだ『農業つぶし』に協力する議会があるとは、残念」との声が出ていました。

(新聞「農民」2008.1.21付)
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2008年1月

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