「農民」記事データベース20080114-811-02

大分県に農林水産「九条の会」発足

農業続けるには、平和が一番大切

関連/政治動かす農民連の出番だ


農林漁業関係者に参加よびかけへ

 元県議会議長や元町長、元農協組合長、農業委員会会長など県内の著名な農林業関係者十人が呼びかけ人となり、大分県農林水産「九条の会」が結成されました。

 発足の集いが昨年十二月八日行われ、約五十人が参加しました。(写真〈写真はありません〉)発足にあたって、大分県農民連(阿部浩三会長)が事務局を引き受け、半年以上かけて準備を進めてきました。

 集いは、発足までの経過報告の後に、呼びかけ人を代表して高倉志能さん(NPO法人「おおいた有機農業研究会」顧問)が、自らの海外での体験も踏まえながら、「平和が一番大切。農林漁業関係者の中に九条の会への参加を呼びかけたい」とあいさつ。そして、県内で既に発足している医療九条の会、マスコミ九条の会の代表が、連帯のあいさつをしました。

 続いて、弁護士の岡村正淳さんが「憲法九条の現代的意義」と題して記念講演を行いました。岡村さんは、憲法改憲への歴史的な動きと憲法九条がもつ「非戦」の意義、武力を有しないという重要性について、深く解明されました。さらに憲法前文にふれながら、戦争のない平和な生活を保障する上で、農業と食の重要性を強調し、参加者の共感を呼びました。

 講演のあと、呼びかけ人が憲法九条への思いを語り、参加できなかった呼びかけ人から「残りの余生を、憲法九条を守ることにかけたい」とのメッセージも届きました。参加者らは、憲法九条を守ることの意義にとどまらず「地域の農業と食料を守ることが、戦争のない平和なくらしを実現する具体的な中身だ」などが話し合いました。

 最後に、今後の活動の申し合わせとアピールを確認して集いを終わりました。参加者の一人は、「こうした会をもっと頻繁に開いていくと、農林漁業関係者や農漁村に元気がでてくる」と感想を述べていました。

(大分県農民連 三上英範)


政治動かす農民連の出番だ

農民連中国ブロックが交流集会
仲間づくり大きく前進させよう

 農民連中国ブロック交流集会が十二月一、二の両日、農民連の白石淳一会長を迎えて島根県斐川町で開かれ、中国各県から七十人が参加しました。

 斐川町の吉田稔副町長、斐川町農協の多々納道雄組合長、日本共産党の尾村利成県議が来賓のあいさつをしました。多々納組合長は「米価の暴落で、大規模農家ほど深刻。コンバイン一台分が吹き飛んだ」と、農政を厳しく批判。尾村県議は「県議会で、品目横断対策の見直しを求める意見書が自民党から提出される事態になっている」と報告しました。

 北海道からかけつけた白石会長が、参院選挙後の情勢を報告し、当面の取り組みを提案しました。白石会長は「バイオ燃料ブームやオーストラリアの干ばつなど各地の異常気象により、世界の食料は異常事態。しかし政府は、米価暴落で農家経営がピンチになっても『農政改革』を見直そうとはしなかった。農民連が十月一日、農水省に『政府は責任を果たせ』という緊急要請を行い、この声に押されて政府は備蓄米を買い増しするなどの緊急対策を打ち出した。参院選挙後、国民の要求が政治を動かすあらたな情勢がはじまり、農民連の出番だ。再来年の農民連結成二十周年に向けて、仲間づくりを大きく前進させよう」と呼びかけました。

 二日目の分散会では、これからの運動の進め方や中山間地での生き残り策、地域の将来など、現状をどう切り開いていくかを話し合いました。

(島根県農民連 長谷川敏郎)

(新聞「農民」2008.1.14付)
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2008年1月

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