旬の味
今年の東北の作況指数は101で、ほぼ平年並みという。いつもなら、米代金が家族一人ひとりに少しずつでもめぐっていくのだが、今年の農村は沈んでいる▼農協が支払う米の仮渡金が、昨年の三分の二。一俵六十キロ当たり一万円ほどになってしまったからだ。それでなくとも、米の生産費は丸ごと農家持ちである。これでは、国のいうとおりに「品目横断的経営安定対策」をやろうがやるまいが、関係ない。今年の低米価は、農家とそこに依拠している商業者を直撃している▼自民党が財界の意を受けて食管制度を壊し、生産者米価を市場原理に明け渡した「構造改革」のツケが、今ここにあらわれている。その舞台裏では、わが国最大の商品「ライス」を独占的に支配しようとする者たちが、去来しているに違いない▼年末、そして厳しい寒さのなか、灯油、ガソリンが昨年の倍に値上がりし、大変な冬を迎える。多くの人と手をつなぎ、みんなの知恵を出し合うこと、そこにしか行く道はないのではないか。 (実)
(新聞「農民」2007.12.10付)
|
[2007年12月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2007, 農民運動全国連合会