「農民」記事データベース20071210-808-12

日本の農家の取り組み学びたい

韓国・農民会の会員が来日


野菜農家と交流・大見本市参加・食健連と懇談

“経営困難は韓国と同じ”

 韓国の釜山、慶州南部の農民会・女性農民会の農家十七人(うち女性は五人)が、十一月二十日から二十四日まで来日し、農民連(千葉・神奈川)や食健連と懇談したほか、食品分析センターを視察。「大見本市」にも参加して交流を深めました。

 今回の訪問団は、主にビニールハウスで野菜を栽培し、ほかに果樹や畜産の農家。なかには、ミニトマトを日本に輸出している人も。

 まず一行は千葉・多古町の旬の味産直センターへ。都市と農村の交流センター「しんのみくうかん」を訪れ、また野菜農家の菅沢博隆さんと交流しました。「国から補助金はもらっているのか」「どこに販売しているのか」「経営上、なにが一番困難か」など、質問が絶えません。菅沢さんが「輸入自由化のなかで、生産者が再生産できるような価格になっていない」と答えると、「韓国でも同じだ」との感想が出されていました。「産直などで生産者が消費者と直結して、なるべく身近な流通にしていくことが大事」と菅沢さんが質問に答えると、「農協に依存するだけではいけない。日本の取り組みに学びたい」と語っていました。

 大見本市では、豊富な食材に驚き、各ブースに立ち止まっては試食しながら、ここでも質問ぜめ。食健連との懇談では、とくに公務員労働者との共同に関心を示し、全農林東京地本の活動を聞いて、「韓国の公務員はさっぱり。日本の農業の方が、ずっと展望がある」と述べると、笑いと拍手が起こりました。

 訪問団団長のチェ・ヘシクさんは、「日本は先進農業と思ったが、WTOやFTAのなかで、みなさんの危機感をひしひしと感じた。韓国ではまもなく大統領選。なんとしてもアメリカとのFTAを阻止したい」と述べていました。

(新聞「農民」2007.12.10付)
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2007年12月

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