にぎやかに、お米屋さんで収穫祭
埼玉
農民連ふるさとネットワークは、十一月二十四日(埼玉県越谷市・玄米工房北越谷本店)、二十五日(埼玉県草加市・いなほや飯塚商店)、お米屋さんの収穫祭を開きました。農民連のお米を扱う米屋さん店頭での交流イベントです。両日ともポカポカ陽気に恵まれて、餅つき、野菜の直売などにぎやかな一日となりました。
餅つき、野菜の特売も
店頭で生産者とお客が交流
越谷市の玄米工房
「今年のお餅は何が出るの?」と、お客さんが行列をつくりはじめたのが、まだイベントがスタートする二十分前。今年の玄米工房のイベントは、山形が餅つきを、福島が野菜の直売を担当しました。大玉の白菜、大根、長イモ、長ネギ、ニンジン、シイタケ、リンゴ…。山積みになった野菜や果物が、餅つき開始を合図にして、飛ぶように売れていきます。
お餅を五パック購入した女性のお客さんは、「農家の人が“んだんだ”ってしゃべってるのが聞こえて、もう懐かしくて。山形から来てくれて、たいへんだったでしょう」と言います。別の女性のお客さんは、「どんな高いお米より、ここのお米が一番おいしいの。うちはもうずっとここ。イベントで農家の顔が見えるお米屋さんなんてほかにないでしょ」と太鼓判を押します。
店のご主人、関根康展(やすのぶ)さんは、「生産の苦労や産地の様子を消費者に伝えるのが、僕ら米屋の仕事だと思っています。地域の人全員に、安心・安全なお米を食べてもらって、食文化をつくっていきたい。僕ら米屋のがんばりが、少しでも農家の力になれれば」といいます。
イベントに参加していた福島県北農民連の菅野泰伸さんのお米が、この日一日で完売。「いやぁ、お客さんに“今買ったからね!”って言ってもらえて、うれしかったねえ」と生産者の喜びもひとしおでした。
生産者の思いが伝わる
草加市の飯塚商店
お客さんがドッと来て
ポン菓子や餅つきのにぎやかな音に誘われて、お店の前はお客さんでいっぱいです。大根、白菜、ブロッコリー、ネギ、サトイモ…。朝早く福島から届いた野菜がどんどんなくなっていきます。
男性のお客さんに「福島の新鮮な野菜はいかがですか!雪の下から取ってきたんですよ」と声をかけると、「これだけ偽装やニセ物が出回るご時勢だから、米屋は信用できるここが一番だね。へえ、ここに米出してる農家なの。じゃあ、あんたの米、食べたことあるかもしれないね」。
郡山農民連から参加した中村和夫さんは、「自分の生産したお米の末端まで見えて、笑顔で買っていってもらえるのがうれしい。作り手の思いも伝えられたし、励みになるね」と言います。
店のご主人の飯塚良二さんは「農家が直接店に来てくれると、お客さんの信用がつきます。これからもずっと続けたい。生産者の顔が見えるというのは、何かあればすぐに声も届けられるし、毎日食べるものだから、安全なものを売っていきたいと思います」と、話してくれました。
(新聞「農民」2007.12.10付)
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