「農民」記事データベース20071210-808-05

NHKテレビ「どうする山形の食と農」

庄内産直センター(佐藤光雄専務理事)が登場


消費者と手つなぐことが大事
地域農家の仲間づくりこそ活路
子どものころからご飯中心の給食を

 十一月二日にNHK総合テレビで放映された番組「やまがたスペシャル 進む国際化・どうする山形の食と農」に、農民連の庄内産直センターが紹介されました。センター専務理事の佐藤光雄さんが、産直センターの取り組みや消費者との交流の模様を語りました。

 産直センターの活力源は?

 番組は、山形の食と農の現状・将来や政府の「農政改革」について、VTRを交えながら、県、農協の職員、大学教授、農家が出演して討論形式で進められました。

 庄内産直センターが紹介されたのは番組後半の「どう活路を見出す?」のコーナー。VTRで「さらに広い地域の農家が集まることで力を発揮しているグループ」として「庄内地域で農薬や化学肥料を減らした農作物を持ち寄って出荷。安全・安心を売り込み、米の出荷量の半分は、首都圏の小中学校や保育園の給食用です。年間百八十トンの米を百四十の小中学校や保育園に出荷します」と紹介されました。

 みんなの力で成り立つ農業に

 田植えや稲刈りに年間のべ三百人の園児や児童が参加している様子を背景に佐藤さんが登場。「消費者がおいしいと言ってくれるのが何より励み、一番の力になります」

 さらに産直センターが希望する農家をすべて受け入れ、二十年間で十四世帯から百五十世帯に広がったことを受け、佐藤さんは「大きい農家も小さい農家も、専業も兼業も、みんなで農業・農村が成り立っている。仲間の輪を広げることが地域農業をよくしていく力になります」。

 消費者の喜びの声に励まされ

 番組は討論に移り、佐藤さんがスタジオに登場。司会者が「農家の元気で前向きな笑顔が印象的でした」とVTRの感想をのべました。佐藤さんは「経営は決して楽ではないが、『日本の農業がんばれ』と、農業を支えてくれる消費者がいる。一方、『ものを作ってこそ農民』とがんばることで共感してもらえる。農家と消費者が一緒に手をつないでいくことが大事です」と語りました。

 これを受け、民俗研究家の結城登美雄さんが「小さい農家が中心になってスタートした直売所。全国に一万カ所、売り上げも六千億円にまで大きくなった。担い手のお母さん、おばあちゃんが、にこにこと楽しい笑顔でやっている、消費者も評価して買いに来てくれる。農家もはりきって多品種を作る。ここにこれからの農業のヒントがあるのでは。食べる人が作る人を応援し、消費者が農業を支える。そんなヒントを佐藤さんの活動から感じました」と応じました。

 地産地消を広げて未来開こう

 最後に佐藤さんは「地産地消を日本全体に広げていく。競争でなく、みんなでともに育ちあい、支え合う方向。ここに日本の農業の未来があります」とのべました。学校・保育園給食についても「子どものころから主食のご飯を重視することは、単に胃袋を満たすだけでなく、子どもの体も心も作ることになる。ご飯を中心とした食事を定着させる取り組みです」と締めくくりました。

(新聞「農民」2007.12.10付)
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2007年12月

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