広げよう9条の輪「全国の会」が交流集会
「九条の会」の全国交流集会が十一月二十四日、都内で開かれ、若者から高齢者まで千二十人が参加。十二の分科会・分散会で各地の取り組みを熱心に交流しました。 二十四日現在で、六千八百一に広がった地域・分野別の九条の会。集会では呼びかけ人の五氏があいさつ。憲法学者の奥平康弘さんは「さまざまな主張を糾合し、現実の政治的力関係の中に反映させていくところに役割がある」とのべ、評論家の加藤周一さんは「九条を守るとともに、これからは九条を生かすことも念頭に置く必要がある」と表明しました。 作家の澤地久枝さんは「九条で世の中をよくしようという人たちがいっぱいいることに希望をもって生きていきましょう」と呼びかけ、哲学者の鶴見俊輔さんは「亡くなった小田実さんは自分と対立する人と自分の意見をあわせた本をだしています。小田さんが始めた運動を九条の会が引き継いでいくことを望みます」と訴えました。作家の大江健三郎さんは「個性的で普遍的なこのような集まりが今後も続くことに希望をかけています」と期待をのべました。 各分散会・分科会では各地の報告が活発にだされました。会の活動や会員を増やす点では、「押しつけでなく参加型の運動が必要」という意見がだされ、参加を広げることでは「自民党の後援会で先頭にたっている人も九条の会に結集している」などの経験がだされました。 若い世代の結集も大きな課題。「大学で学生にアピール」「戦争体験を語る会を開き、若者に訴えている」などの報告がありました。 宣伝では「地域新聞への広告・報道を重視」「二畳分の看板を地域の各所に」などの取り組みが紹介されました。 参加者は来年、さらに大きな交流集会を開くことを誓い合い、次の訴えを拍手で確認しました。
〇「九条の会」アピールへの賛同の輪を創意をこらして広げ圧倒的世論をつくろう。〇職場・地域・学園で、憲法九条のすぐれた内容と改憲案の危険な内容についての理解を深めるための無数の集会を開こう。〇当面、「すべての小学校区に九条の会」を合言葉に、思想・信条・社会的立場の違いをこえた「会」をつくろう。地域・分野の「会」のネットワークをつくり、交流・協力しあって運動を前進させよう。
小さくても輝く自治体を第10回全国フォーラム開く「今こそ、大都市と小規模農山漁村との連携を強めよう」―第十回「全国小さくても輝く自治体フォーラム」が、五十二の町村長が呼びかけ人となって、十一月二十四、二十五の両日、東京・千代田区の全国町村会館で開かれました。全国各地から二十九人の首長をはじめ自治体関係者や研究者、学生など二百二十三人が参加しました。(写真〈写真はありません〉)“平成の大合併”という嵐の中で、一回目の開催は二〇〇三年二月。長野県栄村に、小さくても自律をめざそうという自治体関係者など六百人以上が集まってスタートしました。十回目という節目に当たって栄村の高橋彦芳村長は、このフォーラムで「“将来のことは自分で決めよう”という心意気で町村が元気になった。これからも、町村住民と都市住民との多様な協働を実現することが大事」とあいさつ。 フォーラムでは、明治大学教授の小田切徳美さんが「農山村の現状と自治体のゆくえ」について、立教大学大学院教授の内山節さんが「農山漁村の可能性」について、京都大学教授の岡田知弘さんが「地域と地方自治をめぐる現局面と小規模自治体」について、記念講演を行いました。このなかで小田切さんは、「二〇一〇年農山村問題」(過疎法が失効、中山間地域直接支払い制度が終了など)を取り上げ、「タイミングの乗り越えをひとつでも間違えれば、農山村はさらに大きなダメージを受ける」と警鐘を鳴らし、農山村の再生には(1)参加の場づくり、(2)暮らしのものさしづくり、(3)カネとその環境づくり―を提唱しました。
(新聞「農民」2007.12.10付)
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[2007年12月]
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