「農民」記事データベース20071126-806-11

旬の味


 「品目横断対策で麦はやめたけど、今度は米もやめるようだ」と稲刈田にたたずむ農家の声。今年度から実施された品目横断対策で集落営農にも大規模にもなれなかった農家の多くは、麦づくりをやめた▼同じ農家が来年の米づくりをためらっているその原因は、今年の異常な低米価だ。さらに埼玉は、普段の年でも全国で最も低い米価で苦しんできたところ▼全国的な農民連の運動で、政府に三十万トン余りの備蓄米の買い上げと市場への放出抑制などを約束させたおかげで、一俵当たり百〜二百円底上げしたものの、産地によっては一俵一万七百円前後という価格になっている。これでは、来年の米づくりをあきらめようというものだ▼参議院の与野党逆転という新しい情勢のなかで、私たちの要求が実現できる展望もみえている。備蓄米の買い上げの方針もその一つ。稲刈田にたたずむ農家が、力を込めて“来年もうまい米をつくるぞ”と言えるように、一日も早く生産コストを償う水準の価格を要求したい。

(慎)

(新聞「農民」2007.11.26付)
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2007年11月

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