食糧の安定供給は? 自給率向上は?
日本農業再建への道筋探る
グリーンウエーブ・シンポ
農業者・生協組合員・スーパー経営者など多彩な参加者
関連/みのう農民組合に検査入り
富山県食健連
国民の食糧と健康を守る運動富山県連絡会(富山県食健連)は十一月三日、砺波市でグリーンウエーブシンポジウム「地域農業の継続と食の安全・安心」を開催。農業者はじめ県職員や生協組合員、スーパー経営者など、多彩な顔ぶれ約七十人が参加しました。(写真〈写真はありません〉)
農業農協問題研究所の岡阿弥靖正さんが、米を中心に日本農業の問題点を報告。「食糧を自給できない国は、国際的な圧力と危険にさらされている」という米大統領の言葉を紹介、食料自給率向上に背を向ける農政を批判し、日本農業再建への道筋を語りました。
また、全国から視察が絶えない先進的な農業複合経営である、「みずほ農場(株)」(砺波市)の代表取締役、笹嶋賢一さんは「慣行にとらわれずにチャレンジし、赤字を出さずにきたが今年は危ない。経営の半分を占める米部門があまりにもひどい」と現状を報告。そして、「農産物価格を需要と供給だけで決めるという考えは間違い。それでは食糧の安定供給はできない」と、今の農政をきっぱりと批判しました。
生活協同組合CO―OPとやま副理事長の村瀬むつ子さんは「大規模農家でもやっていけない実態では、日本の米が食べ続けられるか心配。国民の食糧は自国で作れるようにしてほしい」と発言しました。
参加者がそれぞれの立場から発言、「生産者と消費者を対立させるのでなく、お互いの交流の機会を作っていくべき」だという意見が大勢でした。
農業を単にビジネスやもうけのための一産業と考えるような方向では、生産者も消費者も同意できないことが明らかとなったシンポジウムでした。
(富山県農民連 多田裕計)
より安全な農作物めざし 取引先のFコープ担当者
福 岡
福岡・みのう農民組合は、九州で一番大きな生活協同組合「Fコープ」にスナップエンドウや巨峰、梨、柿などを出荷しています。十月二十六日、Fコープから六人の担当者が来て現地視察を行いました(写真〈写真はありません〉)。これは、ポジティブリスト制やトレーサビリティーなど国内法がますます厳しくなるなかで、その対応策として行われたもの。
検査は大まかに十四項目あり、その一項目に付きさらに細かな項目が二十〜三十項目あり、「生産計画の作成」、「農薬残留検査、土壌検査、農薬肥料の管理」、「環境への配慮」、さらに「出荷、入荷、販売、組織などの管理」など、約四時間にもおよぶものでとても厳しいチェックでした。対応した書記長の佐々木督文さんは、自分の生産日誌も示しながら、一つ一つていねいに答えていました。
佐々木さんは「法律が変わったとは言いながら、ポジティブリストやトレーサビリティーなど国内法はますます厳しくなるのに、輸入品目は一回の検査で“三年OK”とかあるらしいが、とても納得できない。生産現場の声としては、“国産は安全だ“と言いたい」と話しています。
(福岡・みのう農民組合 金子徳子)
(新聞「農民」2007.11.26付)
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