お米の値段下がって農家は大変 どうして外国産は安いの?“食の安全と農業”について講義和光中学校(東京)の“総合学習”の時間 食品分析センター石黒昌孝所長
東京・町田市にある私立和光中学校で十月十七日、二年生百五十人を前に“総合学習”の時間に「食の安全と農業」について話をしました。 生徒のみなさんは、大変熱心で「お米の値段が下がって、(農業実習でお世話になった)秋田の父さん母さんの生活は大変では?」「パンやポテトフライには農薬が残ってるの?」「どうして外国産は安いの?」など、一生懸命考えているのがわかり感動しました。先生にうかがうと、“やはり農業体験学習が生きているなあ”と実感しました。 和光中学校では、五月にはクラスごとに一日がかりで町田市にある田中農園で農業実習を行い、九月には秋田県での移動教室で、三日間にわたって五人くらいのグループごとに二十八戸の農家に分かれて農業体験を系統的に行っています。そのなかで中学生たちはみんな、「お米の値段が安い」のを心配し、「秋田のお父さんお母さんを困らせないで」と語り、そして日本の国土や山河を守り、新鮮で安全な国産の農作物を作っている農家が安心してやっていけるようにと、熱い思いの感想を述べています。 また夏休みの宿題では、小売店での野菜などの値段を調べ、国産と輸入品をどう選ぶべきかを考えています。輸入品の危険性や問題点を指摘すると、“秋田のお父さんやお母さんが作った安心できる国産が良い”と発言しています。学校の畑では、小麦の種子をまき麦踏みをして育て収穫し、石臼でひいて小麦粉を作り、パンを焼いたりうどんを作ったり調理実習まで行います。まさに生産から消費まで体験しています。 こうした取り組みが始まって三十年を迎えた和光中学校で、「食の安全と農業」について話をする機会を与えられたことは、大変光栄なことでした。 (農民連本部 石黒昌孝)
千葉農民連2万円米価求める署名広げよう食と農業を考えるみんなの集い8つの議会で採択生産原価を大幅に割り込む米価の大暴落に、農家に不安と怒りが広がっています。そんななか、千葉県農民連が取り組む「二万円米価を保障するよう国に意見書提出を求める請願」は、生産農家と地方議会に大きな反響を呼び、九月議会では二十三の議会に請願・陳情され、八つの議会(うち五つの議会が全会一致)で採択しました。
紙智子参院議員が国会報告十二月議会に向けてさらに個人署名に取り組もうと、農民連や日本共産党などで実行委員会をつくり、十一月十日、成田市で日本共産党の紙智子参議院議員を迎えて「食と農業を考えるみんなの集い」を開き、雨模様のなか、百二十人を超える参加者で事態の深刻さを物語るものになりました。(写真〈写真はありません〉)請願人代表の大規模経営農家、岩立孝一さん(75)は「もうこの米価ではまったく展望がもてない。規模を大きくすればするほど赤字が重くなる」と、自民・公明政権が進める農業「構造改革」路線を批判しました。 また、署名で地域に入った林縫右衛門さん(63)は「村の一番奥にある立派な農家は空家で、大きな乾燥機が眠っていた。国産が食べたいという国民の声に応えられる農業にしなければ」と熱く訴えました。 千葉県農民連会長の大木傳一郎さんは、米価暴落を生み出している本当の理由をコンビニおむすびを片手に報告、「いままさに決起するとき」と力強く呼びかけました。 また紙智子さんは、(1)米価暴落は政治の責任、(2)品目横断対策はどこでも破たん、(3)民主党の戸別所得補償法案は“市場開放”が前提、(4)食糧主権を柱に農政を組みたてるべきだ、など国会での論戦を紹介しながら報告。 「言いたい、聞きたいトークコーナー」では、野菜価格の低迷や農地への企業参入問題、酪農や畜産のエサ高騰対策などについて、会場から発言が続きました。そして「二万円米価署名」と「エサの高騰対策署名」をおおいに広げることを確認しました。 (千葉県農民連 小倉毅)
(新聞「農民」2007.11.26付)
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[2007年11月]
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