「農民」記事データベース20071112-804-12

旬の味


 「百姓なんかやめてしまえ!」―区画整理の理事が、農場立ち退きの話し合いの場で言い放った。「市内にたった一人の女性青年農業士に言う言葉か!」―そうたしなめられると、さすがに黙った。農地を住宅や商業地にすれば資産価値があがるから、つぶしたくてたまらないのだ▼稲刈りシーズンになると、農協にライスセンターがないこの地域では、乾燥ともみすりを頼みに来る農家が少なくない。一年ぶりの農家と、今年の出来栄えを話しながら乾燥機にもみを入れる。こういう農家の受け皿を担っているからこそ、簡単にやめるわけにはいかない▼もみすりの後には、保育園の子どもたちが大好きなもみがらの山ができる。はだしになって駆け登り、若い保育士の先生も寝ころがった。「かゆくなるよ」と声をかけたが、おかまいなしだ。たとえかゆくなっても、また遊びに来たいと目をキラキラ輝かせている▼秋の風物詩、でも今が踏ん張りどころ。もみがら山遊びが来年もできますように。

(る)

(新聞「農民」2007.11.12付)
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2007年11月

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