旬の味
「百姓なんかやめてしまえ!」―区画整理の理事が、農場立ち退きの話し合いの場で言い放った。「市内にたった一人の女性青年農業士に言う言葉か!」―そうたしなめられると、さすがに黙った。農地を住宅や商業地にすれば資産価値があがるから、つぶしたくてたまらないのだ▼稲刈りシーズンになると、農協にライスセンターがないこの地域では、乾燥ともみすりを頼みに来る農家が少なくない。一年ぶりの農家と、今年の出来栄えを話しながら乾燥機にもみを入れる。こういう農家の受け皿を担っているからこそ、簡単にやめるわけにはいかない▼もみすりの後には、保育園の子どもたちが大好きなもみがらの山ができる。はだしになって駆け登り、若い保育士の先生も寝ころがった。「かゆくなるよ」と声をかけたが、おかまいなしだ。たとえかゆくなっても、また遊びに来たいと目をキラキラ輝かせている▼秋の風物詩、でも今が踏ん張りどころ。もみがら山遊びが来年もできますように。 (る)
(新聞「農民」2007.11.12付)
|
[2007年11月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2007, 農民運動全国連合会