青森・津軽農民組合の新田文代さん
時給がわずか300円程度じゃあ
農家もまさにワーキングプア
分科会でリンゴ農家の現状を報告
関連/なあ〜に これ? ひょうたんみたいネ
分科会「努力すれば報われる社会なの? 格差と貧困、『ワーキングプア』を考える」で、青森・津軽農民組合の新田文代さんが、リンゴ農家の現状を報告しました。
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いま津軽は、稲刈りとリンゴに日光をあてて色づけする“葉とり”の真っ最中です。リンゴ農家に一番困っていることは何かと聞いたら、みんな声をそろえて「後継者がいないこと」をあげていました。六十代、七十代という夫婦が、忙しい時には高齢者の人夫をアルバイトで雇っているのが現状です。リンゴづくりは、夫婦のどちらかが体を悪くしたり、機械がだめになったら「もう作れない」と話しています。
なぜこうなったのかというと、一九九〇年にリンゴ果汁が輸入自由化され、いまではリンゴの自給率は六〇%を割り込んでいます。安い果汁が大量に輸入され、国内の加工向けリンゴがだぶつき生果に流れ、リンゴの価格を押し下げているからです。農家の時給はわずか三百円程度、一生懸命働いても農薬代やアルバイト代などの経費を払えば何も残らない、まさにワーキングプアの状態です。ここまで農家を追い込んだのは、輸入自由化路線をすすめてきた農業政策そのものです。
こんな中で、うれしいことがありました。二年前に農民組合の中に青年部が誕生したことです。青年たちは「農作業はつらいし将来への不安もある。でも、いいわげもの(若者)が集まってがんばっていることを知れば、自分もがんばろうと思える」と話しています。「国産のものが食べたい、青森のリンゴが食べたい」という人が増えれば、生産者もがんばって作っていけます。
京都 鹿ケ谷かぼちゃ
京都には、“鹿ヶ谷(ししがだに)かぼちゃ”というちょっと変わったカボチャがあります。ひょうたんのような変わった形をしています(写真〈写真はありません〉)。夏の土用の期間(夏至までの十八日間)に食べると“中風除け”になると言われています。
初めての挑戦で、試行錯誤しながら作りました。結果的に土用には間に合わず、完熟させることにしました。(土用のころに食べるものは外皮が濃緑色です)
いまの左京区鹿ヶ谷で栽培されていたのが名前の由来ですが、現在では中丹波地域の綾部市でよく栽培されているそうです。
(京都農民連 益田修次)
(新聞「農民」2007.10.15付)
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