「農民」記事データベース20070813-792-08

お茶飲み・おしゃべり・助け合い

島田川わいわい楽農くらぶ

山口・岩国


念願だった自前の直売所も

 楽農倶楽部というと、長野・佐久や埼玉・春日部が知られていますが、山口県岩国市にも「島田川わいわい楽農くらぶ」があります。

 「無理ではないか」と

 誕生したのは、二〇〇五年九月。量販店マックスバリュが開店に当たって、地産地消のコーナーを設けるので「農民連を中心にグループをつくって出荷しないか」との呼びかけから。当時、本格的に野菜づくりをしている農家はいなかったので、「無理ではないか」と断りましたが、「三年間、時間をあげる。最初は量や回数が少なくてもいい」ということで、十二世帯でスタート。一方、仲間どうしでグループをつくったり、直売所や観光バスを呼べる朝市など、町の活性化と地域農業づくりの夢を語り合ってもいました。はじめは、荒れた畑を借り、背丈ほどもある草刈りから始まりましたが、化学肥料や農薬を使用しないで安全・安心な農産物をつくろうと呼びかけ、「これがいいのよ」と徐々に一人また一人と集まってきました。

 値段つける前から来客

 この年の十月四日、軽トラックに野菜を満載にして初出荷。マックスバリュでは、特設売り場を急きょつくって農産物が並ぶと、「われわれの野菜も堂々として誇らしげに見えた」そうです。そして、まだ値段もつけていないのに、「これ、ほしい。早く値段をつけて」「時間がないんだから、早くして」という買い物客にマックスバリュの担当者も大慌て。「また明日も出すの?今度はいつ?」の声に、生産者として喜びを感じる一日でした。

 高石ともやさんも出演

 わいわい楽農くらぶでは、四月に「感謝!青空パーティー」、十二月に収穫祭を行っています。青空パーティーでは、野菜の直売と野草の天ぷらうどんを用意。会員の必死の呼びかけで、なんとか直売所らしくなり、百五十人の参加でほぼ完売。そして収穫祭には、なんとあのフォークシンガー、高石ともやさんが出演。これは、いぜん周東町(現在は岩国市)を訪れたともやさんが、わいわい楽農くらぶを知り、「来年は収穫祭をやろう」と持ちかけ実現したもの。軽トラックを畑に乗り入れ簡易アンプやスピーカー、マイクなどをセットしてステージのできあがり。「こんなロケーションでコンサートがやりたかった〜」と、ともやさん。二、三曲のつもりが一時間たっぷり歌ってくれました。

量販店の一角で野菜売り

 もうけることは後回し?

 発足時から念願だった自前の直売所も、今年三月からオープンしました。直売所といっても、マックスバリュに出荷できないものや量の多かったものなど「もったいない市」にしました。だから、もうけることは後回し。お茶でも飲みながらおしゃべりできるオアシスになればと願っています。これからもみんなで“わいわい”と、助け合い、共育ちの「島田川わいわい楽農くらぶ」です。

(新聞「農民」2007.8.13付)
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2007年8月

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