本の紹介
新版平和のためのガイドブック
沖縄の戦跡と軍事基地
戦争・平和を考える入門書
沖縄戦の悲劇リアルに天皇の責任にも踏み込む
憲法九条を変えて、「日本を戦争できる国に」という策動が強まるなか、「新版平和のためのガイドブック 沖縄の戦跡と軍事基地」が出版されました。
「沖縄の過去・現在を通して、未来を考えよう」(同書まえがき)というこの本は、すべてのページがカラー印刷で、図表や写真を多用。「疎開」「大東亜共栄圏」などの言葉の解説も随所に挟まれ、中・高生をはじめ、年代を問わず、戦争と平和を考える格好の入門書ともなっています。文章もたいへん読みやすく、一度読み出したら止まらない、読み物としても力作です。
構成は、「沖縄の基礎知識」「沖縄戦」「沖縄の主な戦跡」「沖縄の米軍基地と自衛隊」「県民のたたかい」「沖縄を通して二十一世紀を考える」という章だて。
「沖縄戦」の章では、なぜアジア・太平洋戦争が起きたのか、沖縄戦がどういう戦争だったのかが、天皇の責任にも踏み込んで明らかにされています。「戦跡」の章では、各地の戦跡を紹介。同時に事実をもって沖縄戦の悲劇を描きだしています。「日本軍が強制した集団自決はなかった」「従軍慰安婦は強制連行されたのではない」などの論調にも、明確な答えとなっています。
また同書では、今日の沖縄の米軍と自衛隊基地についても詳述。日米安保条約と沖縄との深い結びつきが伝わってくると同時に、人びとのたたかいや「戦争できる国」づくりへの動きも紹介し、憲法九条を守るためのガイドブックともなっています。
▼定価 1200円(税別) ▼発行 かりゆし出版企画 電話06(7777)6309
(新聞「農民」2007.8.13付)
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