中越沖地震まだ水道・ガスが…不便続く農業被害広がる“農業できるかどうか”不安
七月二十日朝、救援物資を満載した埼玉県農民連の車に同乗して現地入りしました。 救援物資受け入れ先は、新潟県農民連と農協労連とが共同でJA柏崎に申し入れた結果、刈羽村にある支所の倉庫になりました。 この支所も床が波打ち、大きな段差が生じて亀裂が入っていました。農協の職員は「自宅が被災してたいへんだが、出勤している。米の低温倉庫も被害が出ていないか心配だ」と話していました。また支所を訪れた被災した農家は「救援物資はありがたいが、ショックで食欲がない。買ったばかりの乾燥機が入った倉庫が崩れてしまった。農業を続けるかどうか迷っている」と漏らしました。農業用水がパイプラインのため、水を出してみないと損壊はわからないなど、被害はさらにひろがりそうです。 避難所によっては食糧などの配給にばらつきがみられました。二十二日に回った避難所では、「野菜がほしい。電気が通ったので米も」と喜ばれました。多くの避難所から「農産物はのどから手が出るほど欲しいが、水道やガスが復旧していないため今は調理できない。ぜひまた声をかけてほしい」と要望を受けました。 新潟県農民連では、数少ないプロパンガスなどで自炊可能な避難所に農産物を供給しながら、仮設住宅への入居者支援を検討しています。また二十六日には、農民連も参加する全国災対連(災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会)と新潟災対連の現地共同センターが立ち上げられ、きめ細かな被災者支援を行う予定です。 (農民連本部 森吉秀樹)
石川農民連 救援物資届ける被災住民に精神的な疲労たまる能登半島沖地震で被害を受けた石川農民連は七月二十五日、新潟県中越沖地震の被災地を訪れ、救援物資(白米二百五十キロ、トマト六箱、じゃがいも・玉ねぎ各五キロ)と見舞金を届けました。救援物資受け入れ先となっているJA柏崎刈羽支所内の倉庫前には、大きな「農民連・農協労連中越沖地震支援センター」の看板。さっそく、トマトを避難所になっている「別山コミュニティセンター」に届け、たいへん感謝されました。道路や家屋の被害は大きく、農機具を入れてあった倉庫もつぶれていました。 驚いたのは、柏崎港が自衛艦はじめ車両やテントがあたり一面に建ち並び、自衛隊でなかば占拠されていることでした。避難所への炊き出しは自衛隊が仕切っており、全国から届けられる救援物資を被災住民にどう届けるのか、そのルートづくりが大変です。 いまだに水道とガスが回復していないため、食事をはじめ洗濯や風呂など不便な生活が続き、また被災住民のなかには精神的な疲労もたまっているようです。能登半島沖地震でも被災者から多くの声を聞きましたが、生活再建に向けた長い道程を考えると心がつぶれる思いです。 (石川農民連 西忠恭)
(新聞「農民」2007.8.6付)
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[2007年8月]
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