「農民」記事データベース20070730-790-09

手づくり・国産小麦100%

好評です 小町麩

製造元 老舗・宮田食品工業


 千葉・房総食料センターと、地域の老舗のお麩(ふ)屋さんが共同で作った、国産小麦一〇〇%、手作りの焼き麩「小町麩」(写真〈写真はありません〉)が、新婦人産直で好評を博しています。製造元は、明治三十年から続く千葉県佐原にある老舗のお麩屋さん、宮田食品工業。現在の社長の宮田隆行さんで四代目です。

 きっかけは、産直の打ち合わせ会議で新婦人の会員から出た「私、お麩が好きなのよ。おいしくて安心なお麩ってないかしら?」というつぶやきでした。ところが調べてみると千葉県内に残るお麩屋さんは二軒だけ。「国内の小麦生産を応援したい」「地元の業者さんと共同して安全でおいしい日本の伝統食品を守りたい」という願いにこころよく応えてくれたのが、そのうちの一軒だった宮田さんでした。

 今回、江別製粉を通して取り寄せた北海道産「はるゆたか」は、生産量の少ない希少品種。国産小麦を使うのは、宮田さんも初めて。日本の小麦はグルテンが少ない中力粉がほとんどですが、試行錯誤のすえにグルテンを多く取り出すことができ、ツルンとしたなめらかな食感に出来上がりました。

 みそ汁に酢のものに

 焼き麩作りは、生のグルテンを取るところから始まります。「焼き麩の命はグルテン」と宮田さんは力を込めます。小麦粉と水をかくはんし、水を十回以上も取り替えるのはたいへんな重労働。この後の成型から焼き上げまで、宮田食品ではほとんどの工程が手作業です。天候や湿度などを見ながら、水加減や焼き具合も微妙に調整します。コストを優先して、グルテンの量を減らしたり、重曹を足せば安く上がります。「でもそれでは“すいとん”になってしまう。ボソボソの麩はだめ」と宮田さん。

 食生活の変化で、いま焼き麩の消費は低迷しています。宮田食品の出荷量も最盛期に比べて半減しています。「価格の低迷は、大きな悩みです。産直は初めてのこころみでしたが、消費者と直接結びついて、食べる人の顔が見え、とても励まされます」と宮田さん。みそ汁によし、酢ものによし。伝統の逸品です。

▼一袋(四十グラム)一六〇円。問い合わせ 房総食料センター 電話0479(84)1176

 作る人の顔がみえ一番安心できます
 新婦人・東京中央支部 坪井良子さん

 試食会では舌触りがとってもなめらかで、大好評でした。今では伝統食品にも輸入品が増えていますが、作っている人が見えるというのは、一番、安心できます。

(新聞「農民」2007.7.30付)
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2007年7月

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