「農民」記事データベース20070730-790-06

汚染深刻化 調査で鮮明に

規制求める取り組みよびかけ

関連/みんなが力を出し合って荒れ放題の神社を再建


07年GMナタネ自生調査報告会

 遺伝子組み換え(GM)ナタネの自生調査に取り組む各団体が一堂に会した「2007年GMナタネ自生調査報告会」が七月七日、東京都の明治大学リバティタワーで開かれました。主催は、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン。

 シンポでバイオ燃料ブーム問う

 第一部のシンポジウムでは、生活クラブ生協の西分千秋さんが、四月に行われたフランスのAMAP(農民農業を維持する会)との交流やGMOフリーゾーン欧州会議(ベルギー・ブリュッセル)の模様を報告。非遺伝子組み換えの最大の生産・輸出国であるオーストラリアでいまバイオ燃料の需要増と干ばつにより、GM栽培の拡大の危険性が高まっていること、EUや日本で非GMナタネを買い支える必要性を強調しました。

 生活クラブ神奈川の鈴木優子さんからは、神奈川県で進められているGM栽培規制条例の策定活動の紹介がありました。

 キャンペーン代表の天笠啓祐さんは、バイオ燃料の現状と非食料を原料にした第二世代バイオ燃料開発の問題点を指摘。バイオ燃料増産のために、アメリカ、ブラジル、中国など世界でGM作物の作付割合が増えている実態をのべるとともに、バイオ燃料推進の日本政府の姿勢を批判しました。

 遺伝子組み換え食品を考える中部の会の河田昌東さんは、バイオ燃料に代わるエネルギー技術について解説。原子力の危険性をのべる一方、原発事故が起きたウクライナ・チェルノブイリで、ナタネを植え、汚染土壌の浄化、農業振興を支援する活動を紹介しました。

 調査結果もって企業・自治体に

 第二部は、GMナタネの自生調査報告。グリーンコープ、生活クラブ生協などによる調査では、全千六百二十検体中、千葉、静岡、大阪、兵庫、福岡、熊本、鹿児島で採取された三十七検体(グリホサート耐性二十、グルホシネート耐性十七)がGMナタネでした。

 遺伝子組み換え食品を考える中部の会の調査では、四日市港や名古屋港周辺などからGMナタネが検出され、抜き取り作業の報告がありました。

 農民連食品分析センターは、八田純人さんが報告(写真〈写真はありません〉)。一般参加分を含め百九十六検体中九十四検体(グリホサート耐性六十六、グルホシネート耐性二十八)からGMが検出され、検出個所は、千葉、神奈川、静岡、愛知、三重、兵庫、岡山、福岡の八県だったことを紹介しました。(分析センターの調査結果の詳細は後日、掲載します)

 最後にキャンペーンの天笠さんは、調査結果を持って、自治体、企業に対策を働きかけ、神奈川のような規制条例策定の運動につなげることの必要性を力説。「GM推進側が世界を席巻しようとするなかで、市民の力で押し返し、GMナタネをなくす取り組みを強めよう」と呼びかけました。


みんなが力を出し合って
荒れ放題の神社を再建

愛媛県今治市菊間町明田

 愛媛県今治市菊間町の明田地区にある「河内神社」は、しばらく荒れ放題になっていましたが、五年前に「あのままほっといたらいかんかろう、ご先祖に対して申し訳ない」と、年配者を中心に世話人会を作り、地元の人たちの手で再建することができました。基礎工事は自分たちでやろうということになり、各戸からほぼ全員が出て石積みや舗装などを分担して作業にあたりました。

 江戸時代後期の文政八年(一八二五年)九月に拝殿を改修したとの記録が残っていますが、建立時期は不明です。この神社は「風水神」とも呼ばれ、こち風や水害から土地を守るために建てられたと思われていましたが、今では風邪が猛威をふるい多数の子どもたちが犠牲になったため、子どもたちを救うために建てられたというのが通説のようです。お年寄りは「子どものころ、前の広場でよく相撲をとったもんだ」と懐かしんでいました。

 毎年五月に「春祝い」が営まれ、今年も二十日に神事のあと集会所で懇親会が開かれ、六十人ほどが集まりました(写真〈写真はありません〉)。人口が増えている明田地区では集会所も増築され、「広くなってゆっくりできた」と喜ばれました。

(愛媛・今治市菊間農民組合 大道法幸)

(新聞「農民」2007.7.30付)
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2007年7月

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