「農民」記事データベース20070723-789-07

全農協労連の公開質問状に
全国農政連が無責任“回答”

“回答を回避するもの” 老田委員長の談話


 全農協労連(農協で働く職員の労働組合)は、全国農政連(全国農業者農政運動組織連盟=農協の政治運動組織)に対し、「山田としお氏の選挙活動等に関する公開質問状」を出していましたが、このほど回答が寄せられました。その内容は表のとおりですが、全農協労連の老田弘道委員長は「回答を回避したもの」との談話を発表。「それぞれが(選挙活動を)勝手にやっているから、その責任は現場にありというなら、きわめて無責任」と批判しています。

表

ぐるみ選挙やめよ

JAビル前で農民連が宣伝

 農民連本部は、参議院選挙公示前日の七月十一日、東京・大手町にあるJAビル周辺で新聞「農民」号外を配布し、ハンドマイクで「自民党農政を転換しよう、農協ぐるみ選挙はやめよ」と訴えました(写真〈写真はありません〉)。地下鉄入り口で宣伝していると、ちょうど山田としお候補やその運動員とバッタリ。ある運動員は「赤城農相の事務所費問題も出て、自民党は逆風だ。自民党とは距離をおき『山田』でやるしかない」と肩を落としていました。また日本農業新聞は、農村部でも安倍内閣を「支持する」と答えたのは四七%で、はじめて過半数を割り「農村でも自民党に逆風が吹いている」と世論調査の結果を報道。今度の選挙は、どの政党が伸びればいまの農政を変えられるのか、主権者としてキッパリとした審判をくだす絶好のチャンスです。

“農協ぐるみ”選挙中止せよ

飯伊農民連、佐久農民センターなど
地元の農協に申し入れ

 長野県飯伊農民組合(松村隆平組合長)とみなみ信州農協の組合員有志十二人は、六月二十九日、みなみ信州農協(代表理事組合長・矢澤輝海)を訪れ、あまりにも目に余る“農協ぐるみ選挙”に抗議し、「農協組織を使った自民党比例代表候補者、山田としお氏(全国農協中央会前専務)への選挙応援・特定政党の政治活動の中止を求める申し入れ書」を矢澤組合長あてに提出しました。(写真〈写真はありません〉

 みなみ信州農協においても、三月の理事会で反対者がいながら前例にない「推薦」を決定。この「推薦」を盾にとって、農協組織内に半ば強制的に後援会加入を依頼したり、施設内にポスターまで張り出し、さらにはリストラで農協職員の仕事が忙しくなっているにもかかわらず、勤務時間内に職員を選挙活動に使うなど、農協組織を使った“ぐるみ選挙”が当然のように行われています。

 飯伊農民組合の松村組合長らは、農協名や代表者名で組合員、役職員に後援会への協力や加入をすすめたり、集会や懇談会等への参加を要請しないこと、農協組織を使って、支持集めの強要やニュース等を配布しないこと、農協施設内で、ポスター等を掲示したり、後援会加入申込書を置かないこと、選挙活動を農協職員の勤務時間内に行わせないこと、農政資金等を山田後援会や自民党へ流用しないことなどを、強く要請しました。

 また佐久農民センター(代表・臼田宙治朗)と八ヶ岳農協の組合員有志、および上伊那農民組合(組合長・飯島光豊)と中川村農民組合(組合長・片桐正勝)、上伊那農協の組合員有志も七月九日、八ヶ岳農協(代表理事組合長・藤田行和)および上伊那農協(代表理事組合長・宮下勝義)に、同様の選挙運動を中止するよう申し入れました。

 八ヶ岳農協の藤田組合長は「職員・組合員を選挙活動で締め付けたり、強制など毛頭考えていない。申し入れを慎重に検討したい」と述べました。また上伊那農協では、「農協施設に掲示してあるポスターを即時撤去させた」と文書で回答しました。

(新聞「農民」2007.7.23付)
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2007年7月

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