本の紹介
農業・農協問題研究所編
「憲法九条と食料・農業」
憲法を暮らしに生かし守る力に
農業・農協問題研究所は、農林水産「九条の会」の協力のもと、ブックレット「憲法九条と食料・農業」を発刊しました。その願いは、「憲法を暮らしに生かし、守る力を国の隅々に、食料と農業にかかわる人々とその職場と地域に広げ、深めていくこと」。
ブックレットには、二つの報告と十六人の手記が掲載されています。「九条の会」事務局長として活躍している東京大学教授の小森陽一さんは、改憲策動の局面と運動の到達点について。また「農林水産九条の会」呼びかけ人の一人、元東京教育大学教授の暉峻衆三さんは、農業・食糧問題と憲法にかかわる分析と解説をしています。
そして、「九条も食糧主権もいま世界の大切な宝。大人を信じて疑わない幼い孫たちの眼差しに、九条と食料を守ることはあなたたちを守ること」と決意を述べる久保田みき子さん(農民連女性部長)、「改憲阻止を意識して、月一回、九日の日を『断食』の日として始めた」蓮尾隆子さん(家庭栄養研究会副会長)、「僚友といっしょに東京裁判を傍聴に行き、東条英機らの姿を上から眺め」怒りを覚えた熊澤喜久雄さん(東京大学名誉教授)など、生産者・消費者・研究者のそれぞれの立場と体験から、十六人が九条への思いを熱く語っています。
平和を願う人々が、憲法をめぐる話し合いや学習をひろげ、憲法を暮らしに生かし守る力をいっそう大きくしていくために、ぜひ手にとってほしい一冊です。
定価 500円(注文部数により割引有り)、申し込みは、農民連本部まで。
(新聞「農民」2007.7.16付)
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