日本の産直、学びたい韓国の農業団体が訪問、交流
韓国・晋州(チンジュ)市の農民会と女性農民会のメンバー二十六人が六月十九〜二十三日、来日しました。おもな目的は、二月の国際フォーラム(マリ)で食糧主権実現への重要な戦略と位置付けられた日本の産直運動を学ぶこと。互いの国の進んだ運動を学び合う国際的な“とも育ち”が前進しています。
産直は食糧主権の重要な戦略まず印象に残ったのは韓国の農家の勉強熱心なこと。千葉では産直センターや直売所、都内では農民連食品分析センター、そして神奈川では果樹や畜産の農家を訪問しましたが、どこでも時間が足りなくなるくらい質問が相次ぎました。とくに産直運動については、「値段や品種はどうして決めるのか」「手数料はいくらか」「どうやって始めたの?」「販路の拡大は?」など内容も具体的です。晋州市は韓国第二の都市、釜山から二時間くらい。産直運動を発展させる条件があります。
米国は韓日農業の共通の敵韓国の農業は一般的に農村に兼業先となる働き口が少なく、それだけに専業率が高く、規模も日本に比べると大きいと言われています。しかし、輸入自由化と価格低迷による農村の高齢化や後継者不足が深刻な問題で、「韓国農業の危機はアメリカとの関係に深いかかわりがある」というのも日本と共通しています。晋州市農民会のリ・マング会長は全国食健連との懇談で「韓米FTA反対のたたかいを通じて多国籍企業とそれに力を貸す強大国が敵だと分かった。農民の権利は農民自ら守らなければならない」と語っていました。
女性同士“以心伝心”韓国では、男性と女性がそれぞれ農民会と女性農民会を組織し、協力しながら運動を進めています。女性農民会は保育所を運営し、文化や教育を重視しながら、たたかいを繰り広げています。夜遅くまで続いた女性農民会と農民連女性部の懇談では、「日本の農村は女性のがんばりが支えていると聞いたわ」「そうよ。私たちはトラクターも運転するわ」「あなたたちが運動することに男性の抵抗はないの? よく五日間も家を空けられたわね」「だから私たちは五日分の家族の食事を用意して参加したの」といった様子でした。 七月七日に開かれる韓国社会フォーラムにはマリ、ベネズエラ、ネパールなどの代表とともに、日本からは農民連の真嶋良孝副会長と全国食健連の坂口正明事務局長が参加します。また、この夏、愛知や宮城の農民連が韓国を訪れ、韓国のコチャンの農民会が福島を訪問する予定もあります。
さらに交流を深めたい女性農民会のソウ・ヘジュ事務局長は農民連との懇談で「韓国は闘争中心で政治を変えようとしているが、日本は合理的なオルタナティブ(対案)を持って社会を変えようとしている。今回、日本の農民が置かれた状況について知ることができ、共感を強くした。さらに交流を深めていきたい」と語っていました。
視察日程
19日 千葉・多古町旬の味産直センターを視察
(新聞「農民」2007.7.9付)
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[2007年7月]
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