「農民」記事データベース20070702-786-11

旬の味


 もう七年になるだろうか。近くの養護学校高学年の生徒たちが、実習授業を年数回、我が家の果樹園で行っている▼まずは鳥の声を聞きながら、いっしょに木の下でお弁当。最初の作業は園内の石ころ拾い。機械での土おこしの時に、あぶなくてやっかいな石ころ。子どもたちには普段なれない傾斜のきつい場所もあるが、それがかえっておもしろいらしい。バケツに石をいっぱいつめて運んでくれる▼当初私たちの経験不足から、子どもたちにどう接したらいいのか、こんな作業でいいのかなど、全然わからなくてドギマギした。でも何回も出会う中で、今ではごく自然にいっしょになって楽しんでいる▼出会ってお互いを知ることが本当に大切―そんなことを教えてもらった。先生いわく「高原のなだらかな曲がりくねった道を、二十分かけて歩いて来るのはどんなに楽しいことか」▼こんなことで役立てるなんて、本当にうれしい。次は十月。梨がたわわに実った果樹園での再会を今から楽しみにしている。

(悦)

(新聞「農民」2007.7.2付)
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2007年7月

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