菜の花で元気なふるさとを
循環型地域づくりへフォーラム 秋田菜の花ネットワーク
関連/サツマイモの苗 1800本植えたョ
廃食油利用・栽培の採算など
6つのテーマで意見交換
大学生・高校生ら200人参加
かつての美田があわれな姿に―耕作放棄地が東北の中でも飛びぬけて増えている秋田県。このままでは、自然豊かなふるさとが滅んでしまうと危機感を持ったトラック運送会社の社長さんらが呼びかけて、二〇〇五年に発足した秋田菜の花ネットワークは、短期間に大きく運動の輪を広げてきました。
菜の花ネットワークとは、耕作放棄地に遺伝子組み換えしていない純国産の菜の花(ナタネ)を栽培、搾油、製品化して、学校給食や家庭など地域で使い、その廃食油を回収してバイオ燃料(BDF)を精製し、トラクターやトラックなどの自動車燃料として再利用するもの。循環型地域づくりとして注目されています。
六月十六、十七の両日、「菜の花フォーラム二〇〇七」が開かれ、農家・市民をはじめ、自治体関係者、研究者、運送・建設業者、自動車企業、大学生や農業高校生など二百人余りが参加。秋田県農民連も参加する秋田菜の花ネットワーク(石田哲治代表)、秋田県立大学(工農融合研究プロジェクト)、秋田県(菜の花バイオエネルギーチーム)で構成する実行委員会が主催しました。(写真〈写真はありません〉)
「いま、なぜ菜の花なのか」と題して基調報告した秋田県立大学の佐藤了教授は、(1)耕作放棄地を菜の花の堤防でストップさせ農業の再生を、(2)(穀物を人間と自動車が奪い合う)バイオ燃料ブームとはひと味違う多段階の地域内循環をめざした運動へ、と力説。「見て良し、食べて良し、絞って良し、粕も良し、走って良し、戻しても良し。アキレスけんは『作っても良しと集めて良し』の欠落だ」と述べました。
また、セッション(特別報告)では、「菜の花を作っても経済的に合うのか?」「廃食油収集・利用はどうやれば進むか?」「BDFは最新式のエンジンに使えるのか?」など六つのテーマに沿って意見交換。県立金足農業高校から教員十人、生徒十人が参加。司会者から感想を求められた生徒の一人は「今日のフォーラムに来て、たいへん感激しました。大学で学んだあと郷里に戻り、環境問題に取り組みたい」と話していました。
軽油の代替燃料の作り方を研修
二日目は、県立大学の農場でナタネの栽培法などを、また秋田運送ではBDFの作り方やグリセリンの利用法などを視察・研修しました。
(秋田県農民連 佐藤長右衛門)
埼玉・春日部楽農倶楽部
埼玉・春日部楽農倶楽部(高橋晃会長)は五月二十六、二十七の両日、サツマイモ苗(ベニアズマ)を千八百本植えました(写真〈写真はありません〉)。サツマイモ作りは、今年で三年目。
真夏日のような暑さの下、高橋会長から畝作りやサツマイモ苗の植え方を教わりました。初参加の田代順子さんは、農家出身の蔵富美子さんと次々手際よく苗を植えていきました。田代さんは「汗が滴る前に作業を終えてしまいたい」と一生懸命でした。埼玉土建の若者三人が応援、午前中で植え終わりました。午後、ジャガイモ畑の草取りをしました。
田代さんは「自然の緑の中での作業は癒されました。草取りはけっこうな筋力トレーニング。農作業は体力と精神力が必要な仕事、農家の人たちはすごい。食文化を次の時代に受け継いでいければいいですね」と語っています。
(春日部楽農倶楽部・西村正昭)
(新聞「農民」2007.7.2付)
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