公正・的確な米検査こそ“農民連への高い信頼”へ意見交換
東京、大阪で農産物検査員研修会今年で三回目となる農民連ふるさとネットワーク主催の農産物検査員研修・交流会が六月六日に東京で、十二日に大阪で、それぞれ開催されました。東京会場では、関東・東北などを中心に二十二人が参加。長年、大阪で米検査と検査員の育成に携わってきた大阪農業振興協会の佐保庚生さんが、最近の米検査をめぐる情勢や実際の検査技術について講演しました。 佐保さんは「米は野菜や果物の取引と違って現物によらない取引であり、正確で公正な検査への信頼がなければ、米取引も円滑にすすまない」と強調。この一年間で、農水省、日本精米工業会や、米穀店アンケートなどで不適正を指摘された検査事例を紹介しながら、実際の検査での留意点を具体的に説明しました。 また、農民連が信頼される検査を実施していく上での課題として、年間を通した技術研修、その年の品質や品種の特性などの事前の情報収集、光線具合などの「鑑定条件」に注意することなどを挙げました。 討論では、「検査は複数の検査員で行い、分析も多用して、信頼を得ている」、「サンプルを保管して、検査員みんなで検討しあっている」など、検査の正確性をどう確保しているか、といった点のほか、乾燥、調整、選別、保管の方法なども具体的に意見交換されました。 また「窒素が足りないと胴割れする」、「検査しながら、どういう作り方だと腹白がでるのかなど、コミュニケーションを重視して農民連らしい米検査で農家との信頼を築いている」など、検査を栽培技術向上に生かしているとの意見も。 また「農産物検査が民営化されても、検査員の養成や地域情報の交換など行政が一定の役割を果たすよう、要請していく必要がある」などの意見も出されました。
大阪会場には西日本各県から二十四人が参加。佐保さんが同じ内容で講演しました。 討論では、「公平性を確保するため全袋検査を行っている」「検査場所を増やし、検査を受けやすくした」「検査員が五人になり、全県で検査できるようになった」など各府県の実情が出されたほか、検査手数料の設定、表示重量と実際の重量との関係、農民連の検査員養成の体制づくりなど、多岐にわたって意見を交換しました。
模擬鑑定に挑戦東京会場、大阪会場ともに全員が模擬検定に挑戦。他県の米を見る良い機会にもなり、いっそうの技術向上を決意しあいました。
埼玉に単組女性部誕生県内初めて 東部農民センター「待望の単組女性部が誕生」――六月七日、埼玉県大利根町で東部農民センター女性部の設立総会が開かれ、二十二人が参加。二組の夫婦そろっての参加もあり、女性部への期待の高まりを痛感しました。県連女性部は、単組ごとに女性部を結成しようと、長年取り組んできましたが、やっと一つの単組で実現しました。設立総会では、「集まりをもつことが大切」「楽しい集まりになるようにしたい。そうすれば、また来たくなる」などの意見が出されました。また農民連本部の藤原麻子さんが出席し「六月は新聞『農民』の読者をふやす月間になっています。ぜひまわりの方に勧めてほしい」と訴え。埼玉県農民連顧問の野本家六さんから、戦争体験にもとづいた平和と農業について話を聞きました。 昼食では、うどんやそばを打ち、各自が持ち寄ったふきの煮物やキュウリの漬物、てんぷら、赤飯など手作りの料理がテーブルいっぱいに並べられ、おいしくいただきながら懇親を深めました。 (埼玉県農民連 棚橋順子)
(新聞「農民」2007.6.25付)
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[2007年6月]
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