「農民」記事データベース20070618-784-07

帳簿の持ち帰り 拒否できます

税務調査に出くわしたら…

茨城県西農民センター


“呼び出し”あれば農民連に連絡を

 茨城・下妻市の農家に、税務調査が入りました。税務署への対応の仕方が良く分からなかったSさんは「今日は時間が茨城県西農民センターないので、あなたの帳簿書類を税務署に持ち帰り見させていただきたいのですが、いいですか?」と税務署の調査員に言われ、拒否はできないと思い、帳簿を渡してしまいました。調査員は受け取りさえ書かずに持ち帰りました。

 不安になったSさんから相談を受けた農民連会員のMさんは、県西農民センターを紹介。Sさんは、農民センターの人とMさんといっしょに税務署に出向き、帳簿書類の返却を求めました。しかし、受け取りを書かずに持ち帰った調査員は、面会にも応じようとしません。私たちの強い要求に、総務課長が上司の指示をあおぐため、何度も部屋を往復する始末。「(調査員は)受け取りを渡したと言っている。受け取りを提出しないと帳簿書類は渡せません。受け取りをなくしましたか?」ととんでもない返事。強く抗議すると、最後には「Sさんの勘違いだとは思いますが、書類をお返しします。しかし農民センターの人は、部屋に来ないでください」と、Sさんを別室に呼んでようやく返却しました。

 税務調査は限られた時間で行われるので、調査官は帳簿書類などを持ち帰って調査したいと言ってくることがあります。しかし、税務署側に帳簿書類を持ち帰る権限はなく、もちろん拒否することは可能です。

 税務署から“呼び出しやお尋ね”などがあった場合は、自分の考えだけで判断せず、必ず地域の農民組合や農民センター、農民連の会員に連絡しましょう。

 税務署から戻ったSさんは、さっそく農民センターに入会しました。

(茨城県西農民センター 久保幸子)

(新聞「農民」2007.6.18付)
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2007年6月

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