国保料値上げの策略知らせて
いのち守る国保改善の大運動を〈下〉
中央社保協交流会での 相野谷安孝事務局次長の報告
来年四月から、後期高齢者医療制度が実施されます。七十五歳以上の高齢者はすべて国保・健康保険からはずされてこの制度に組み込まれ、保険料を年金から天引きされます。同時に、六十五歳から七十四歳の国保加入世帯の国保料も、年額十八万円以上の年金を受けている世帯などでは年金から天引きされます。大阪市の試算では、わずか一万五千円の年金から実に三割近い四千四百十三円もの保険料が天引きされる例もでてきます。ほとんどの人はまだこのことを知りません。
昨年以上に怒りを共有・共感して
今年は、多くの人の住民税が倍増します。六月十五日ころには、値上げされた国保料の通知を受け取る人がたくさんいます。去年も、こうした値上げに「間違いではないか」と、全国で住民が役所に殺到しました。昨年以上に、大きな怒りの行動が予想されます。税制改革による国保料引き上げのカラクリを知らせ、怒りを共有・共感する運動が求められます。
広域合併で政令市に決まった新潟市では、国保料を一七%値上げしようとしましたが、「新潟市国保をよくする会」は、値上げ反対の署名を五万四千筆余り集め、値上げ率を九%余に抑えさせました。それでも「高い」と、値下げを求める直接請求署名に取り組み、十万近い署名が集まっています。
川崎市では、所得が百三十万円以下の場合、保険料は免除されます。生活実態に即した免除や軽減の実現が求められています。
また、保険証取り上げや差し押さえなど滞納者への制裁をやめさせる運動が大切です。失業や病気で所得が減った人から保険証を取り上げることを控えたり(福岡市)、母子世帯や乳幼児のいる世帯では保険料を滞納しても保険証を交付する(秋田県・山形県・松本市)など、保険証の取り上げをやめさせている事例が各地にあります。
勇気と確信をもって大運動を
今年は国保料の決定前に、大増税となる住民税や介護保険料の決定通知も届きます。各団体と協力して、勇気と確信をもって国保改善の大運動に取り組みましょう。
(おわり)
(新聞「農民」2007.6.11付)
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