「農民」記事データベース20070611-783-05

都道府県独自のBSE検査

厚労省は補助打ち切るな


 厚生労働省は、都道府県が独自に行っている二十カ月齢以下を対象にしたBSE検査に対する補助を、来年七月末で打ち切ろうとしています。

 都道府県による検査は、国が二十カ月齢以下を検査対象からはずすなかで、国民の強い願いから全頭検査を維持しようと行われてきたもの。年間約百二十五万頭が検査され、このうち二十カ月齢以下の牛は約十六万頭。BSE検査に対する今年度の国の補助金は約十六億円で、このうち二十カ月齢以下には約二億円が助成されています。

 厚生労働省は、二〇〇一年から全頭検査を行ってきましたが、食品安全委員会が二〇〇五年に「二十カ月齢以下の感染リスクは低い」と答申したのを受けて、検査対象を二十一カ月齢以上に限定しましたが、全頭検査の継続を願う国民の声に、国は三年間の期限付きで二十カ月齢以下の検査にも全額補助してきました。

 新聞報道では、BSE検査補助打ち切りという国の措置に対して、十六府県が反対し、賛成は一県のみ。京都府、山形県、宮崎県は、打ち切られても自主財源で全頭検査を継続する方針で、ほとんどの都道府県がまだ態度不明です。生産者や消費者からは「継続せよ」の声があがっています。

 こうしたなか、アメリカ産牛肉の輸出条件違反が相次いでいるにもかかわらず、全箱確認を中止し、アメリカはさらに月齢制限の撤廃など不当な要求をしていますが、断じて許せません。

 全国食健連と農民連・畜全協は、農水省・厚生労働省に対して、(1)全箱確認を継続し、輸入条件の緩和を求めるアメリカの要求に応じないこと、(2)都道府県が行う二十カ月齢以下のBSE検査に対する国の助成を継続すること―を申し入れするとともに、各地方議会に対して請願を提出するよう呼びかけています。全国の取り組みで、これらの要求を実現していきましょう。

(新聞「農民」2007.6.11付)
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2007年6月

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