「農民」記事データベース20070604-782-14

「ヒロシマの火」守り続け「平和の塔」に

福岡県星野村に建立


長崎被爆の「くすのき」も

村民の熱い願いこめ成長

 福岡県星野村は県の南部にあり、夏の夜はホタルも飛びかう山懐に抱かれた景観豊かなところです。八女茶と同じく星野茶も有名で、日本一の玉露の里です。ここに、「平和の塔」があります。

 原爆投下で叔父さんを亡くした星野村出身の山本達雄さんが、広島市革屋町(当時)にあった金正堂書店の焼け跡ごうから、燃え続けていた炎を遺品として持ち帰りました。その火は仏壇にともされ、家族の手によって二十三年間守られてきましたが、一九六八年に全村民の要望で、平和を願う供養の火として「平和の塔」が建立された、ということです。(写真〈写真はありません〉

 そのとなりに「被爆のくすのき」があります。長崎の原爆で被災し、枯れかかった長崎市山王神社のくすのきから種子を採取し、爆心から約七キロ離れた市立式見中学校で、樹木医や担任の先生の指導のもと、生徒の手で育てられた苗木を、一九九九年に譲り受けたもの、ということです。平和のシンボルとして大切に育てられ、八メートルほどでしょうか、大きく伸びていました。(写真下〈写真はありません〉

 「改憲」論議が声高に叫ばれている今こそ、被爆の火やくすのきが村人たちによって大事に守られてきた意味を考え、多くの人にぜひとも見てもらいたいものです。

(福岡・みのう農民組合 金子徳子)

(新聞「農民」2007.6.4付)
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2007年6月

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